ノースカロライナ州野生動物保護団体「North Carolina Wildlife Resources Commission(以下、NCWRC)」に所属する生物学者アシュリー・ホッブスさん(Ashley Hobbs)が現場を訪れた。
アシュリーさんによると、この時期に母グマが子グマを木の上に放置しているのは珍しいという。現場では1頭の子グマしか見つからず、濡れて寒そうにしていたため、1頭だけで長時間放置されていたのではないかと考えられている。母グマから離れて1頭だけでいるときにこのような目に遭い、「子グマは元気がなく、怯えていました。恐らく子グマにとってはトラウマのような経験になったと思います」とアシュリーさんは子グマの状況を心配した。子グマがこのような状態になったのは、不必要かつ無責任な接触が原因であると推測されている。
ノースカロライナ州では、アメリカグマの捕獲や飼育は違法とされている。アシュリーさんはビデオに映っていた住人を特定することができたそうで、現場で彼らと対面して、子グマが母グマから引き離されること、特にあのように木から引き離されることがいかに無責任で、命にかかわる可能性があったことを説明したという。
NCWRCの広報担当者アンナ・ガーニーさん(Anna Gurney)が公表したところによると、今回の人々はすぐに子グマを解放したことから、告発はしないことになったそうだ。
保護された子グマは野生動物用のリハビリ施設へ運ばれ、半年後を目安に野生へ帰されることになった。アシュリーさんらは現場で他の子グマを捜したものの、見つけることができなかったという。NCWRCでマウンテン・オペレーション・スーパーバイザーを務めるジェームス・トンバーリンさん(James Tomberlin)は、「この幼さでは1頭だけで生きていくことが難しいので、無事に母グマと再会できているといいのですが」と話した。
今回の動画を見た人々からは、「この人たちを逮捕して罰金を科すべきだよ」「野生動物を苦しめるようなことをしたのに、これが犯罪と認められないなんて有り得ない」「こんなことをしておきながら、なんのお咎めもなしなの?」など、非難の声が相次いでいる。
ちなみに2020年7月にはカザフスタンで、写真撮影のためにアザラシが失神するまで叩きのめした観光客を捉えた動画がネット上に拡散され、怒りの声が多数あがっていた。
画像は『New York Post 「Group snatches bear cubs out of tree just to take selfies with them in disturbing clip」(Rachel Staudt via WLOS)』『NC Wildlife Resources Commission Facebook「In response to the recent incident in which a group of people were videotaped pulling two very young cubs out of a tree at an Asheville apartment complex」』『Saken Dildakhmet Instagram「За жестокое обращение с тюленем люди будут привлечены к ответственности」』『TouronsOfYellowstone Instagram「Queen Touron of Yellowstone.」』『Charlotte X「@theroyalparks my friend took these pics on a long zoom lens today.」』『Rodrigo Saavedra X「Una ballena azul de 21 Mts varo en el sector de Punta Delgada,」』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)