腫瘍を放置した状態で16年を過ごしてきた。そしてそんな時に「手術を受けてみないか」と連絡をしてきたのが、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に活躍する頭頸部がんの専門家、ライアン・オズボーン医師(Dr. Ryan Osborne)のチームで、ティムさんは同医師に最後の希望を託したのだった。
そうしてティムさんの手術のビフォーアフターは『TLC』で特集され、ティムさんを診察したオズボーン医師は、「大きな腫瘍は耳の下にある唾液を分泌する耳下腺に生じる耳下腺腫瘍だろう」と推測し、「普通はクルミほどなのにスイカのような大きさまで成長することは珍しい」と驚愕した。
またティムさんには、神経の位置によっては顔に麻痺が生じること、腫瘍ががん化している可能性があること、手術が成功しても顔の完全な機能と感覚を取り戻すのに6か月かかるかもしれないことを伝え、心の準備をするように促した。
手術が行われたのはそれから2日後のことで、オズボーン医師と同僚の形成外科医ジェイソン・ハミルトン氏(Dr. Jason Hamilton)が執刀し、顔から首にかけての腫瘍約2.5キロ(5.5ポンド)が切除された。
手術は5時間近くに及んだが、術後は麻痺もなく、慢性的な頭痛がピタリと止んだ。また手術から1週間後には、耳下腺腫瘍のなかでも良性の「多形腺腫」であることが判明し、ティムさんは安堵の溜息をついたのだった。
さらに手術から7週間後には、約20年ぶりに顔の髭を剃ったそうで、ティムさんは「人の目を気にすることなく外出し、食事や車の運転も普通にできるようになった」と満面の笑みを見せ、次のように語っていた。
「手術後は軽くなったと感じるし、痛みも全くない。思っていたよりもずっと楽だし、素晴らしい気分だよ。」
「腫瘍は本当に醜かったけど、なくなって良かったよ。16年というのはとにかく長い年月だったからね。今では行く先々で、みんなが私のために喜んでくれるんだ!」
ちなみにビフォーアフターの動画を見た人からは、「16年もあんな腫瘍を抱えていたなんて。想像もできない」「裕福な国なのに、なぜこんなになるまで手術ができなかったのか」「彼の腫瘍のことを知っている誰かが、この医師に連絡したのだろうか。素晴らしい結果で良かった」「違いは歴然。心から嬉しく思う。これからの人生を楽しんで」「本当に素晴らしい医師だ」といったコメントがあがっている。
オズボーン医師はティムさんの前にも、ドイツの30歳女性の手術を執刀し、首の後ろからぶら下がった9キロの腫瘍を見事に切除していた。
画像は『TLC Instagram「Tim’s facial tumor has been growing for nearly 20 years」「“Can I bring it home with me?”」「After 16 years, Tim is clean shaven and tumor-free!」「Alexandra’s tumor has been growing for over a decade」』『TLC Facebook「Tumors Before and After | Take My Tumor」』『The Sun 「DOUBLE HEADER Man with ‘two heads’ for 15 years has tumour size of a melon removed after it ‘damaged his skull’」(Credit: Jam Press/Rare Shot News)』『New York Post 「My face is melting off due to a rare disease」(Jam Press/Rare Shot News)』より
(TechinsightJapan編集部 A.C.)