システムエラーで別の番号が掲載されてしまい、ジョンさんのパワーボールは当選していなかったのだ。
ジョンさんはスタッフに「その宝くじはゴミ箱に捨ててください」と伝えられたそうで、思わず「ゴミ箱に捨てるのですか?」と聞き返した。するとスタッフは「ええ、ゴミ箱に捨ててください。賞金はもらえませんよ。あそこにゴミ箱がありますから」と平然と返したという。
この対応に納得がいかなかったジョンさんは、パワーボールのチケットを捨てずに貸金庫に預けると、弁護士に連絡し、昨年11月21日にパワーボールに対して訴訟を起こした。訴状には、被告としてパワーボール以外にも、全米宝くじ協会と宝くじのウェブサイトを管理する請負業者「Taoti Enterprises」も記載されていた。
供述書の中で、「Taoti Enterprises」のプロジェクトマネージャーであるブリタニー・ベイリー氏(Brittany Bailey)は、当選発表の前日である2023年1月6日、同社の品質保証チームがパワーボールのウェブサイトのタイムゾーンを、協定世界標準時から東部標準時に変更する作業のテストを行っていたと説明している。
同日の午後0時9分、チームは作業中に誤ってテスト用にサイトを模した画面を公開してしまい、そこに載っていたテスト用の番号が、偶然にもジョンさんが選んだ数字と一致してしまったようだ。ブリタニー氏は、「テスト用の番号は実際の当選番号とは違う数字で、公開してしまったテスト用の画面は、一般の人は閲覧できない状態でした」と付け加えている。
「閲覧できない状態だった」とブリタニー氏は話しているものの、1月8日にジョンさんが撮影したウェブサイトの写真には、ジョンさんの選んだ数字と一致するテスト用の番号が掲載されていた。1月9日にチームがミスに気がつき、テスト用の番号をウェブサイトから削除したという。
ジョンさんの弁護士であるリチャード・エヴァンス氏(Richard Evans)は、「請負業者のミスであると主張していますが、それを裏付ける証拠を私は見ていません。本当にミスであったとして、それに対してどう対処するのかが問題です」とコメントした。
リチャード氏によると、今回のようなケースは過去にも発生しており、昨年11月にはアイオワ州の宝くじで、人的ミスにより誤った当選番号が公表されたという。この時は、誤った当選番号と一致するチケットを持つ人々に4~200ドル(約600円~3万円)の当選金が支払われたという。しかし今回は金額が桁違いであるため、その対応に注目が集まっている。
このニュースが多数のメディアに報じられると、「さすがに今回は、賞金を受け取るのは厳しいでしょう」「当選確認システムで当選ではなかったのなら、賞金はもらえないと思う」「過去に間違った当選番号で支払った例があるなら、今回も支払うべきだと思う」「業者のミスなんだから、この男性は当選金をもらうべき」など様々な声があがっている。
ちなみに2021年5月には、宝くじで28億円を当てた女性がチケットを洗濯してしまい、当選金を受け取ることができなかった。
画像は『New York Post 「Powerball player John Cheeks denied $340M lottery jackpot over website ‘mistake’」(4 Washington)』『Mirror 「Woman loses £18million lottery jackpot after accidentally washing her ticket」(stock photo)、「Single mum demands EuroMillions winner who scooped £108million takes DNA paternity test over ‘love child’」』『The Sun 「CARD IS MARKED Woman loses out on £430,000 scratchcard win ‘after shop owner steals ticket and goes on the run’」(Credit: Newsflash)』『Metro 「Criminals denied Lotto win for using ‘stolen debit card’ vow to report Camelot to police」(Picture: Facebook)』より
(TechinsightJapan編集部 iruy)