アメリカで脳腫瘍の摘出手術を受けた女性は、手術中に歌うことで医師が彼女の脳機能を確認した。開頭した状態で米50州の覚え歌を完璧に歌った女性は、腫瘍の約85%を摘出することができ、現在は化学療法などで残りの腫瘍の治療を行っているという。英米拠点のニュースメディア『Talker』などが報じた。
アメリカ在住のジェイデン・ジエンタラさん(Jayden Zientara、24)は、昨年から慢性的な片頭痛を感じていた。看護師であるジェイデンさんは当時、12時間シフトをこなすなど多忙な日々が続いていたため、頭痛は疲れのせいだと思い込んでいた。しかし頭痛薬を服用しても治らなかったため、CTスキャン検査を受けると、脳にこぶし大の星細胞系腫瘍があることが発覚した。
昨年11月26日にMRI検査も行い、腫瘍の詳細が確認された。担当医は「このタイプの腫瘍はジェイデンさんの年齢では珍しいもので、40歳以上の男性と2歳以下の子どもに見られることが多いものです」と説明した。
そして検査からわずか4日後、テネシー州ナッシュビルにある病院「Vanderbilt Medical Center」で、ジェイデンさんは腫瘍の摘出手術を受けることになった。
手術当日、ジェイデンさんは麻酔により眠りに落ち、手術のほとんどの時間を意識のない状態で過ごした。手術は順調に進み、腫瘍の大部分の摘出を終えた医師は、まだ頭を開いた状態にもかかわらず、眠っていたジェイデンさんを起こした。そしてジェイデンさんに、「Fifty Nifty United States」という米50州の覚え歌を歌うように指示した。
これは医師がジェイデンさんの脳機能を確かめるためのもので、ジェイデンさんが手術前に担当の言語聴覚士と決めていた曲だった。ジェイデンさんは、