この免責同意書へのサインを断り、残りのハンバーガーは食べなかったという。「食欲を失いましたよ。提供している商品にホテルが自信を持っていないと感じました」と明かす男性は、しっかりと代金を支払い、失礼な態度は取らなかったと説明している。
ハンバーガーの隣に免責同意書がある写真には驚きの声も寄せられていたが、「ひき肉は細菌に汚染されている確率が高いから、ハンバーガーはウェルダンで調理されるのが普通だよ」「ホテルがミディアムのハンバーガーを提供したことに驚きだ」「ミディアムのハンバーガーは食中毒のリスクが高いから、提供している店はほとんどないと思う」といった、ホテルの対応に納得する意見が多数寄せられている。
イギリスでシェフとして働いた経験を持ち、オンタリオ州にあるゲルフ大学で食品科学の教授を務めるキース・ウォリナー氏(Keith Warriner)は、「大腸菌0157は最近ではかなり珍しい存在で、有病率はおよそ0.01%です。仮に大腸菌に感染すると、運が良ければ胃腸炎だけで済むこともあります。しかし糖に似た毒素を生成する溶血性尿毒症症候群を発症し、腎不全を引き起こすこともあります。これほど恐ろしいことはありません」と話す。
「アメリカは訴訟大国ですので、もし誰かを病気にさせてしまったら、その代償を支払わなければなりません」と話すキース氏は、カナダはアメリカほど訴訟大国ではないとも説明する。しかし2008年にリステリア菌に汚染された加工肉食品が原因で20人が死亡した事件では、カナダの大手食品加工会社「Maple Leaf Foods」が2700万カナダドル(約29億円)の和解金を支払うことになったケースがある。こうした事態を避けるためにホテル側は先手を打ったとみられ、キース氏もその対応は理解できるとコメントしている。
「ミディアムの焼き加減を楽しみたい人はどうすればいいか?」と尋ねられたキース氏は、「後悔するよりは、しっかりと火の通った安全なものを食べた方がいいと思いますね。リスクを冒す価値はありません」と見解を述べた。
画像は『CTV News Toronto 2024年1月21日付「‘I lost my appetite’: Cheeseburger served with waiver at Toronto restaurant」(Reddit.com/Reit007)』『Katie Harley 2022年2月13日付TikTok「people loooove giving parenting advice to people who didn’t ask」』『LADbible 2021年7月30日付「Customer Gets Out Own Scales To Weigh ‘Really Small’ 6oz Steak At Restaurant」(Credit: Kennedy News and Media)』『Midge 2021年9月29日付X「Mole removal: $223 Crying: extra」』『ManchesterWorld 2022年10月7日付「Uber passenger charged £35,000 for four-mile ride in Greater Manchester」(Credit: Oliver Kaplan / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)