インバーゴードン町議会管区長の歴史的な礼服とチェーンの行方を探していた時だった。
当時、インバーゴードン・コミュニティ評議会のメンバーだったマキシン・スミス地元議員(Maxine Smith)は、物置の中に探し物があるかもしれないと聞き、数人の関係者と物置に向かい、そこでドアストッパーとして使われていた胸像を見つけたのだ。
胸像の発見から数年後、持ち主を見つけ出す作業が行われ、1931年に同町北部のキンディースで行われたオークションで、インバーゴードン町議会がこの胸像を購入したことを示す文書が2019年に発見された。この購入は、庁舎に飾ったら見栄えがするだろうと考えて行われたものだったという。しかしある時点で、他の不要になった議会備品と一緒に物置に収納されたようだ。
マキシン議員は、この胸像を売却すれば「インバーゴードンやその周辺の社会的困窮地域に大きな利益をもたらす」と考えている。一方で、スコットランドのエディンバラ大学で美術史の講師を務めるキャロライン・マカフリー=ハワース博士(Caroline McCaffrey-Howarth)は、「胸像が海外に流出してしまうのは残念だ」と主張する。
キャロライン博士によると、この胸像はスコットランドで唯一のエドメの作品であり、スコットランドにとって文化的に重要だという。また、エドメのキャリアの中で極めて重要な時期に制作されたものであり、非常に細かいノミ細工が施されていることからも貴重な作品とのことだ。
ジョン卿の胸像は、ルーブル美術館やロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館で開催されたエドメ・ブシャードン展のために貸し出されたこともあったが、ハイランド地方のインヴァネス美術館の安全な保管庫で管理されたままになっている。評議会は、「作品の価値とそれに伴う安全上の理由から、一般公開することができなかった」と報告書で述べている。
今回のニュースを見た人々からは、「明らかに何時間もかけて作られたものを、なぜドアストッパーとして使うのだろう? 本当に無知な人がいるものだ」、「そのお金は、くだらない物のために評議員に使われてすぐに消えてしまうだろう」といったコメントがあがっている。
画像は『The Scottish Sun 2023年10月26日付「SCULPTURE SHOCK Rare sculpture bought for £5 & used to hold a door open is worth MILLIONS」』『The Sun 2021年7月29日付「INSIDE SCOOP ‘Ikea-style’ spoon bought for 20p from car boot fair sells for staggering £2,375 at auction」(Credit: BNPS)』『Phillips 「20TH CENTURY & CONTEMPORARY ART DAY SALENEW YORK AUCTION 10 MAY 2016」』『BBC 2023年8月10日付「Monmouth: Teddy bear found at car boot sale could sell for £6,000」(HANSONS AUCTIONEERS)』『Metro 2023年7月4日付「Dad given rare £2 coin in his change sells it on eBay for more than £200」(Picture: SWNS)』『Christie’s Watches Online 「THE AGUAS ZARCAS DOGHOUSE」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)