先天性の病気を持つ息子を世話しながら、経済的にギリギリで過ごしていたドイツに住むシングルマザーは、息抜きのためにカタツムリを飼うことにした。そのカタツムリの動画をTikTokに投稿すると大きな注目を集め、カタツムリの繁殖ビジネスを始めた女性は、その収入だけで生活できるようになったという。英ニュースメディア『The Sun』などが伝えている。
ドイツ南部バイエルン州ミュンヘン市に住むクリス・バックリーさん(Kris Buckley)は7年前、息子のミラン君(Milan)を出産した。先天性の病気である腹壁破裂を抱えて生まれてきたミラン君は、腹壁に開いている穴を塞ぐ手術を行うために、生後9か月まで入院していたという。
手術や入院の費用がかさんだが、クリスさんの夫は収入をすべてギャンブルに費やしており、最終的にクリスさんや子どもたちを捨てて家を出て行ってしまった。
クリスさんは働いて治療費を稼ごうとしたが、ミラン君につきっきりで世話をしていたことや、もう1人息子がいたためにフルタイムの仕事はできなかった。国からの補助金や教会から食べ物の寄付を受けたりしながら、クリスさんは2人の子どもを養うためにギリギリで生活していた。
子どもたちの世話ばかりで疲れ始めたクリスさんは、「気分転換のためにも、何か自分の趣味を見つけなければ」と考えていた。その中でペットを飼うことを思いつき、犬や猫よりも手がかからないカタツムリを飼うことに決めた。
クリスさんは「これまで私の人生は、ずっと他人の世話をすることばかりでした。自分だけの物すら持っていなかったので、カタツムリを飼うのはとても魅力的でしたね。カタツムリは細やかな世話を必要としませんし」と当時を振り返った。そしてこの決断が、