現場で応急処置にあたった救急隊はまず、エイの尾の一部を大バサミを入れて切り離し、エイを海に放していた。そして尾棘が刺さった状態のまま、クリスティさんを病院に搬送した。
医師によると、エイの尾棘は肺から3センチと非常に危険な位置に刺さっていたそうで、毒針を取り除くための緊急手術が行われた。しかしながら、クリスティさんの体内には今もエイの毒が残っているため、最低でも1週間の入院が必要という。さらにクリスティさんは、患部の痛みを訴えており、感染症予防のための治療も行われている。
なお2006年には、クロコダイル・ハンターとして知られたスティーブ・アーウィン氏(Steve Irwin)が、オーストラリアのグレート・バリア・リーフで撮影中、アカエイに胸を刺されて死亡していた。刺された場所が悪かったことはもちろんだが、直後に自分でエイの尾棘を抜いていたことも死因の一つとされており、尾棘が肺を逸れ、救急隊が尾棘を引き抜かないまま搬送したクリスティさんは非常に幸運だったようだ。
クリスティさんは今回の事故を受け、「海洋生物は、私たちがコントロールできるものではないと思っているの。だって海は海洋生物の棲み処であって、私たちのものではないでしょう」と溜息交じりに語り、「私はフロリダ州に長い間住んでいるけど、こんなことが起きたのは初めて。今でもショックから立ち直れていないのよ!」と明かした。
ちなみにイスラエルでは今月初め、ヘビがヤマアラシを飲み込んで数日後に死亡した。ヤマアラシの針毛は一度刺さると抜けにくい“一方通行”の構造のため、ヘビは針毛が口に刺さったまま動けなくなってしまったという。
画像は『New York Post 2023年8月25日付「Florida woman impaled by ‘super painful’ venomous stingray, missing her lungs by an inch」』『FOX 13 Tampa Bay 2023年8月25日付「Venomous stingray impales Apollo Beach woman wading in water: ‘I was certain I was going to die’」(Image is courtesy of Kristie O’Brien)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)