医師が摘出できたのは腫瘍の20%だけだった。脳への損傷を避けるためで、残りの腫瘍には化学療法で対処した。
それでも家族は術後、「手術で下垂体に影響が及んでしまい、今後成長が止まってしまう可能性がある」と告げられて愕然とした。グートさんには成長ホルモンを注射する選択肢もあったが、腫瘍が大きくなる可能性があることから治療は行わなかった。
そして12歳の頃にグートさんの成長は止まり、23歳になった今でも外見は13歳の頃のままという。
グートさんは「僕は子供のままの身体を受け入れることができず、15歳になると全てのことに反抗するようになった。学校ではみんなと話すことを止め、先生と口を利くこともなかった。一緒に暮らす叔母はしょっちゅう学校に呼ばれていたよ」と明かし、こう続けた。
「家族はそんな僕を支え続け、いつしか立ち直ることができた。そして今の僕には20歳、30歳、40歳、さらにもっと年をとった友達もできたんだ。彼らは僕を外見で判断しないし、僕を見て嫌なことを言ってきたりはしない。今は体調も良いし、たくさん話もするし、自分を恥じることもなくなったよ。」
8歳からの15年間で化学療法を7回、頭部の手術を12回受けたというグートさん。その脳にはまだ豆粒ほどの腫瘍が残っているそうだが、頭痛はなくなり、現在は身長162センチ、体重50キロで人懐っこい笑顔が印象的だ。
そんなグートさんには大きな夢があるそうで、「僕は今、生きていられることに感謝している。将来は写真家になりたいし、できれば近いうちにプロが使うカメラを手にいれたいね!」と笑いながら語った。
ちなみにグートさんのように若く見えすぎることに苦悩する人がいる一方で、老けて見えてしまう病気を持つ人もいる。2021年には、14歳から急速に老け始め、50歳に見えるフィリピンの16歳の少女や、遺伝性疾患のために40代の両親よりも老けて見えるインドの13歳と6歳の姉弟が話題となっていた。
画像は『Oddity Central 2023年6月16日付「Rare Condition Makes 23-Year-Old Man Look Like 13-Year-Old Boy」』『Euro ES Euro 2023年6月13日付「The extremely rare condition that makes a 23-year-old look 13」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)