![「ママ、この子飼ってもいい?」庭から抜け出した犬、子猫を連れて帰る(米)<動画あり>](https://japan.techinsight.jp/wp-content/uploads/2024/07/mypositiveoutlook2407041609-196x210.jpg)
座席の下に潜り込んでいくケープコブラを目撃したのだ。
ケープコブラは黄色に近い明るい茶色の体で、体長は最長2メートルを超える。動きも速く、噛まれると30分で死に至ることもあるが、西ケープ州では血清が不足している状態だという。小さい機体に猛毒を持つケープコブラが潜んでいる状況でパニックは必至だと思ったエラスムスさんは、乗客に話すべきかどうか迷ったそうだ。「コブラが奥のほうに行ってしまい、大パニックを引き起こすかもしれないと思うと、とても怖かった」というエラスムスさんだったが、慎重に考えた末、機内の4名に冷静にこう伝えた。
「聞いてください。問題が発生しました。コブラが機体の中にいます。私の座席の下にいるような気がするので、できるだけ早く着陸する必要があります。」
エラスムスさんは一番近いヨハネスブルグに着陸することを決め、管制塔に報告した。そして天候が悪いなか無事着陸すると、まずは後部に座っていた3名を降ろし、次にエラスムスさんと隣に座っていた乗客が降りた。その際、エラスムスさんが座席を前に倒したところ、座席の下にコブラが丸まっているのが見えた。すぐにスネークキャッチャーに連絡したが、彼らが到着した時には、コブラは機内から姿を消していた。その後、日が暮れるまでコブラを捜したが見つかることはなく、コブラが逃げたことが分かるように機体の周りに「ミリミル」と呼ばれるトウモロコシの粉を撒いた。翌日、スネークキャッチャーらが現場に戻り機体の内部を隅々まで捜したが、ケープコブラを見つけることはできなかった。
航空業界歴38年の航空専門家ブライアン・エメニス氏(Brian Emmenis)は、今回の件について「航空界で最も優れたスキルを発揮しました」とエラスムスさんを称賛した。「パイロットがパニックになって飛行機が制御不能状態に陥ってもおかしくない状況でした。また悪天候で地面が見えず墜落し、乗客だけでなく地上の人々も命を落とす可能性もあったでしょう。彼はヒーローです」と褒めたたえた。また南ア民間航空局長のポピー・コサ氏(Poppy Khosa)もエラスムスさんについて「素晴らしい飛行技術によって、機内のすべての人命が救われた」と述べている。一方、エラスムスさんは「私が冷静でいられたのは、乗客のおかげです」と謙虚にコメントした。
画像は『BBC 2023年4月5日付「South Africa snake on plane: Deadly cobra in cockpit forces emergency landing」』『Cape Town ETC 2023年4月4日付「No joke: Cape cobra sneaks onto aircraft, pilot makes emergency landing」』『TMZ 2023年4月5日付「SOUTH AFRICAN PILOT THERE’S A FREAKIN’ COBRA ON ME!!!! Makes Emergency Landing」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)