どのゾウもぐっすり眠っていて住民らが起こそうとしてもなかなか起きなかった。困り果てた住民の連絡を受けて到着した森林局のスタッフらが太鼓を叩いて大きな音を出すと、ゾウたちは目を覚まして森の中に逃げて行ったそうだ。
今回の件について、インドの野生動物保護団体「Wildlife SOS」で最高責任者を務めるカーティク・サティアナラヤンさん(Kartick Satyanarayan)は「ゾウたちはマフアの香りに誘われてしまった」と見解を述べ、「ゾウたちはマフアの香りが大好きなんです。マフアは澄んだ美味しそうな、強い香りがしますからね」と語った。
一方でゾウたちがマフアを飲む瞬間を目撃したという証言がないため、本当に酔っぱらっていたのかは確証がなく「その場で眠っていただけかもしれない」という説もあがっている。しかし通常、ゾウは群れの中の1頭が見張りをする役割を担っているそうで、カーティクさんは「群れの全てのゾウが酔っぱらって熟睡したことは珍しい状況ですね」と明かした。
また2020年に英国王立協会の科学誌「Biology Letters」で発表された研究によると、ゾウのアルコール代謝構造は人間と異なるため、体格はよくても少量のアルコールで酔いやすい可能性があるとの見方が示されている。これが事実であれば、マフアを少量飲んだだけで熟睡するほど酔っぱらってしまったことにはうなずける。
ちなみに2020年には中国の農村で、醸造酒を飲んでしまったとみられるゾウたちが爆睡する姿が撮影され、SNSで話題を呼んでいた。
画像は『Indiatimes.com 2022年11月10日付「24 Elephants Get High On Local Liquor in Odisha, Found In Deep Sleep By Locals」(BCCL/Representational Image)』『The Indian Express 2022年11月12日付「Elephant herd gets ‘drunk’ consuming fermented water in Odisha. Forest officials beat drums to wake them up」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)