ザックさんは興奮が止まらず「動画に撮ったぞ!」「全くなんてことだ!」と叫び続ける。
ザックさんは当時のことを「実はザトウクジラが現れる直前、父の釣竿に当たりがあってね。父が魚を釣り上げる様子を撮影しようとちょうどカメラを構えていたんだ」と明かすと、次のように続けた。
「この時期は岸の近くに集まってくる小魚を目当てに、クジラや他の動物がやってくるんだ。あの日は早い時間帯からサメやイルカの姿を目にしていてね。天気も最高に良くて気温は21度以上はあったし、海は穏やかでとても静かだったよ。」
なおカリフォルニア州の海のテーマパーク「シーワールド・サンディエゴ」の動物園運営部門の副部長を務めるエリック・オッチェンさん(Eric Otjen)は「小魚を捕食するため、ザトウクジラが岸の近くまでやってくることは珍しくない」と明かすも、こう続けた。
「ザトウクジラがボートのすぐ近くでブリーチングをするなんて、一生に一度あるかないかという貴重な経験だろうね。多くの人はブリーチングを見るためにたくさんのお金を払うんだから…。」
ちなみにクジラがブリーチングをする理由には「激しい音をあげコミュニケーションをとる」「フジツボを落とす」「寄生虫を落とす」「オスのアピール」「威嚇」「遊んでいるだけ」など様々な説があるようだが、エリックさんは「“バブルネットフィーディング”を行っていた可能性がある」と述べている。
これはザトウクジラが魚の群れの下に潜り込み、水中で円を描くように泡を吐き出しながら水面に上昇、泡で網を作って魚を閉じ込めて捕食するもので、ザトウクジラが漁をしていた最中にたまたま親子が居合わせたということのようだ。
アメリカ海洋大気庁によると、ザトウクジラは大きいもので体重が40トンにもなるとのこと。親子は怪我をすることもなく、ザックさんの父親が製作したという全長約5.5メートルのボートも無事で、とにかく運に恵まれた一日を過ごしたようである。
画像は『Zach Piller 2022年10月13日付Instagram「Epic whale footage.」、2021年11月17日付Instagram「“I think the fish is longer than the boat”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)