ロンドンのバーチャルルームで外科医チームが待機、ヘッドセットを付けたリオデジャネイロの医師らを見守った。
ジーラニ医師は9日の27時間の分離手術中、飲食に15分休憩を4回取っただけだったそうで、「手術が終わった後はクタクタでしたが、やるだけの価値はありました。家族は無事に兄弟が分離されて非常に喜んでいましたよ」と笑顔で語った。またモハレジュ医師も「病院で2年半を一緒に過ごした2人は私たちの家族のようなもの。この手術は2人の人生を変えたのです」と述べ、ブラジルでは不可能と言われた手術の成功を喜んだ。
なおまもなく4歳を迎える兄弟は、脳の主要な静脈をシェアしていただけでなく、頭蓋結合双生児の分離としてはこれまでで最年長だったため、手術は非常に複雑だったという。手術から数日は高血圧と高心拍数に苦しんだものの、手術から4日後には初めて同じベッドで向かい合ったそうで、手を繋ぐとずいぶん落ち着いたそうだ。兄弟は今後、病院で6か月間のリハビリを受ける予定で、ジーラニ医師は「6か月経ってみないと手術の本当の成果は分かりません。今後は注意深く見守っていく必要がありますね」と話している。
GUによると結合双生児の5%が頭蓋結合で、そのうちの約40%が死産か分娩中に死亡、3分の1が24時間以内に命を落とすという。また78%は1歳までに、90%は10歳までに亡くなってしまうという。
ジーラニ医師は「分離手術はGUの基金によって賄われており、人々の寄付があったからこそ今回の手術が実現したのです」と感謝の言葉を述べ、次のように続けた。
「全ての頭蓋結合双生児の手術が可能なわけではありませんが、我々の技術を駆使しもっと多くの人がGUを利用できるようになれば、世界の約半数の頭蓋結合双生児を手術で救うことができると思っています。今後も世界のチームと知識を共有し、協力しあいながら頭蓋結合双生児に希望を与えていきたいと思っています。」
画像は『Gemini Untwined 2022年7月29日付「Meet the twins: Arthur and Bernardo」』『New York Post 2022年8月1日付「Conjoined twins born with fused brains separated after 27-hour surgery」(Gemini Untwined)』『The Mirror 2022年8月1日付「Conjoined twins successfully separated after 27 hours of ‘space age’ surgery」(Image: PA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)