到着してすぐに体外式膜型人工肺「ECMO」により体を温めるための治療を受けたという。
「私の心臓は約3時間も止まっていたんです。幸いにも心臓は動き出しましたが再び心停止する可能性もあったので、当時はただ待つことしかできませんでした。医師からは助かる見込みはないと告げられていたし、良い結果にはならないだろうと言われていましたから。」
それから5日間昏睡状態が続いたのち意識を取り戻したトミーさんは、目覚めてすぐにコーラを飲みたいと話したそうで「集中治療室で目を覚ました時は何が起こったのか分からず、交通事故か何かに遭ったのかと思いました。私の記憶は2日前から止まっていましたから。今こうして生きていることは本当にラッキーだと思います」と語った。
トミーさんの救助にあたったケズウィック山岳救助隊(Keswick Mountain Rescue Team)は今回の事故の詳細をFacebookに投稿しており、そこにはフェルランニングを行う際の注意点として次のように綴られている。
「事故から5か月が経ちました。奇跡的に死を免れた彼は順調に回復しており、フェルランニングを再開しています。彼はかなりの低体温を記録したひとりでまさに驚きのサバイバルストーリーであり、関係者全員のプロ意識の高さを証明するものでした。」
「フェルランナーは身軽な人が多く、山や丘を走ることで熱を生み出すので実際に衣服はそれほど必要ではありません。何事も起こらなければそれでもいいのです。しかし私たちは今回の事故を通じ、フェルランニングをする人たちへの警鐘になることを期待したいです。予備の衣服やサバイバルバッグはそれほど重いものではありません。所持しているかいないかで生死を分ける可能性があります。」
画像は『Manchester Evening News 2022年6月26日付「“My heart stopped for THREE HOURS”: Man, 27, from Salford cheats death after catching hypothermia on a mountain – they didn’t think he was going to make it」(Image: Tommy Price)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)