ヘザーさんは「表向きは強い母を装っていましたが、心の中では何週間も泣いていました」と語っている。しかし2人はその後、何度も危機を乗り越え、485日を病院で過ごして退院した。
ヘザーさんは双子の分離手術について、このように振り返る。
「当時はとにかく不安で、怖くて仕方がありませんでした。手術はなんとか成功しましたが、アビーは血液量の10~15倍の失血をして脳が腫れ上がり、麻酔科医には『あれだけの失血をして生き延びた人を見たことがない』と言われました。」
「手術後の2人は薬による昏睡状態に置かれましたが、けいれんを起こすなど危険な状態が続きました。血管を共有しており、わずかではありましたが脳の組織が繋がっていたため、分離手術では非常に難しい脳の手術も行われたのです。」
なおエリンちゃんとアビーちゃんは、CHOPで分離手術を受けた23組目の双子だったものの、頭部が結合しているケースは同病院では初めてのことで、手術は2人の医師を中心に30人態勢で行われたという。2人は手術から5年が経過した今も、定期的にCHOPで検査を受けており、今後も頭の形成手術などが予定されている。
ヘザーさんは2人の娘について「特別なスーパーパワーを持っている奇跡の子」と述べると、現在の状況について次のように明かした。
「2人の発達はゆっくりで、少しずつ口から食べることも学んでいますが、食事は今でも胃瘻チューブを使用しています。また手術による脳内出血による脳の損傷で今も発語はありませんが、私たちが言っていることのほとんどは理解できており、今後の課題はいかにコミュニケーションをとるかということです。」
「娘たちはこれまでに理学療法、作業療法、スピーチセラピー、音楽セラピー、プレイセラピー、食事セラピーと様々なセラピーを受け、エリンは歩くことができるようになり、アビーは最近やっと一歩を踏み出しました。成長はゆっくりですが、これは大きな進歩です。」
「中には『障がいがあるから幸せではないのでは?』とか『質のある生活を送れなくてかわいそう』という人もいますが、娘は私が知る限り“世界で最も幸せな子”ですよ。」
「ここまで来るのは決して楽ではありませんでしたが、あの子たちが成長し、変化していく姿を間近で見ることができて心から嬉しく思っています。」
ちなみにヘザーさんは「手術を担当した医師や病院のスタッフは娘2人の人生を変えてくれた」と感謝し、「自身の経験をシェアすることで、同じように悩む人たちの力になれれば…」と述べ、SNSを更新し続けている。
@heatherdelaney1015 Strongest girls I’ve ever met they’ve been through multiple surgeries and years of their lives in the hospital they’re still happy and smiling #conjoinedtwins #gonnabeok #delaneytwins #specialneedsstrong #strongereveryday #twinsoftiktok #CHOP #luckiestparentsintheworld ♬ (It's Gonna Be) Okay – The Piano Guys
画像は『Delaney Twins 2017年11月22日付Facebook、2017年8月22日付Facebook「Today is International Conjoined Twins Day.」、2017年5月17日付Facebook「The girls are doing well.」、2017年10月23日付Facebook、2018年7月23日付Facebook、2022年1月1日付Facebook「Happy new year to our Delaney Twins family」』『Heather Delaney 2022年7月6日付TikTok「Reply to @kathygirl211 this was therapy today」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)