別の苦悩がブリーさんを襲うこととなった。ようやく日常的な記憶が思い出せるようになったブリーさんは自分のスマートフォンを返してもらい、入院中に一度も会いに来なかった恋人にメッセージを送ろうとした。しかしスマートフォンを手に取ったブリーさんは、見知らぬ女性からこのようなテキストメッセージがあることに気づいた。
「私は今、(ブリーさんの恋人の名前)と一緒にいます。私は彼を引っ越しさせました。彼は今、私や息子と一緒に暮らしています。連絡しないでください。」
ブリーさんは昏睡状態に陥っている間に恋人が別の女性と一緒に暮らしていることを悟った。
彼に連絡を取ろうとしたブリーさんだったが電話番号だけでなく全てのSNSがブロックされ、全く連絡を取ることができなかったそうだ。そこで初めてブリーさんは恋人に「完全に見捨てられた」と感じたという。
そんなブリーさんの動画を見た人からは、彼女の恋人の行動にショックを受け「なんてクレイジーストーリーなの」「こんなことするなんて正気じゃないわ」との声が届いた。
その後、無事に退院したブリーさんは今回の経験についてこのように明かしている。
「精神的にもとても大変な状態で、自分に起こった全ての出来事のせいでPTSD(心的外傷後ストレス障害)のような状態にあるのは確かです。だから今、事故の経験や恋人とのことについて自分の感情を整理している最中なんです。」
退院後のブリーさんは故郷のオーストラリアに戻って家族と一緒に暮らしているが、今も脳損傷の影響で日常生活を送る際の単純な作業に苦労する毎日だという。そんな彼女は外傷性脳損傷の後遺症とともに生きることについて、世の中の認識を高めるためにSNSを通して情報を発信し続けていくそうだ。
画像は『HotComaGirl113 2022年5月29日付TikTok「Real coma experience vs. senior year coma experience!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)