レンジャーが血痕を頼りに捜索したところ岩穴に隠れていることが判明、怪我の程度は不明で今も監視が続いている。さらに近くにいた子グマは麻酔銃で捕獲され、成長を待って自然にかえす予定とのことだ。
『Naturaleza Castilla y León』によると、このメスは数週間前に2頭の子供のうち1頭を亡くしていたそうで、子供はオスに襲われた可能性が高いという。
なおこの動画の拡散を受け、スペインのNGO団体「ヒグマ財団(Brown Bear Foundation)」の代表ギエルモ・パロメロ氏(Guillermo Palomero)は「オスの攻撃は非常に激しい」と指摘したうえで、このように述べた。
「実はこの時期になると、オスが子連れのメスを探し子供を殺すケースがよく見られます。もちろん母グマは子供を守ろうとしますが、子供を殺されてしまったメスは2、3日後に発情し、交尾が可能になるのです。」
一見残虐ともいえるこの行動は「性選択的な子殺し」と呼ばれるそうで、『The Local』では子育て中のメスは発情しないため、オスは子供を殺すことでメスの発情を促すと説明している。これによりメスの交尾が可能になるまでの時間が短縮され、オスが自分の子孫を残すことを可能にするそうだ。
ヒグマ財団によると、スペインのヒグマは北部のカンタブリア山脈に330頭が、フランスとスペインの国境沿いに連なるピレネー山脈に約70頭が生息しているという。
画像は『Naturaleza Castilla y León 2022年6月7日付Twitter「Finalmente, tras la combativa defensa de la madre」、「La Junta desplegó ayer un importante operativo」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)