もともと恐竜が大好きなこともあり「今回久慈市に贈る絵ということで絶対これを描きたいと思った」という。「凶暴なものと可愛いものの2つの魅力がぶつかっているときに生まれるパワーがすごく好きで、今回も凶暴そうな牙の生えた生き物が、(可愛い)リボンをまとって強く見せているという、ちょっと不思議な魅力が生まれて、自分のなかでもいい絵になったんじゃないかなと思います」とコメントし、「可愛い物で強く見せるというのが私の好きな表現で、恐竜にもそういうマントを着せました」と続けた。
制作には「いつもより時間がかかりましたね。最初に描いていた色から変えたりとか、最後には徹夜して仕上げました。気合い入れて描きました」と振り返ったのんは、「(パロニコドンの歯化石が発掘された際に描かれた絵を見て)ちょっと毛が生えている恐竜だったので、その質感を注意して描きました」とこだわりを明かした。
昨年3月にのんはアート作品「よむのむし」を久慈市に贈呈している。この作品は「久慈市情報交流センター YOMUNOSU(よむのす)」に展示されている。この日、改めてのんはこの作品について「YOMUNOSUが愛される場所になったらいいなと思った。図書館をメインとした施設になっているので、本を読んでいる女性を描きました」と思いを述べた。新作「王様のマント」も「よむのむし」の隣に飾られるそうだ。駅から近くカフェもあるといい、遠藤譲一久慈市長は「たくさんの方に来ていただいて、のんさんの作品を本当に見ていただきたい」と希望した。
今回ののんの作品「王様のマント」はNFT化して販売される。NFT(非代替性トークン)は、唯一無二であることが証明されたデジタルデータのことで、言わば“世界にひとつのデジタル資産”。のんの作品自体をNFT化し300分割して本日より販売する。その収益は久慈市に寄付するという。のんは「NFTアートという新しいものへの挑戦も嬉しいですし、自分の大切な街と関われることも嬉しい」と喜びを口にした。
(TechinsightJapan編集部 取材・文:関原りあん)