今ではほぼ毎日、チップスに見守られながら大小様々なサイズのキャンバスに絵を描く。基本的に睡眠時間は3~4時間ほどで、一晩で作品を完成させるそうだ。
絵の具など画材を調達する時には、友人や家族の助けを借りているという。マシューさんをサポートする友人で理解者のナターシャ・アーリスさん(Natasha Earith)は「マット(マシューさんの呼び名)が自分の作品について説明をしてくれると、その作品の魅力が引き立ちます。描かれた顔や体など、その多くが自分が話せないことについてのフラストレーションを表現しているのです」とマシューさんの作品について語った。
事故後から絵を描き続けていたマシューさんは、ロックダウン中にさらに熱を入れるようになり、その才能が開花し始めた。昨年9月にはロンドンのアートギャラリー「Brick Lane Gallery」で開催されたバーチャル展示会で、展示作品の1つとして公開された。
同アートギャラリーのスタッフは「マシューさんの作品を見るたびに、ピカソのことを考えずにはいられません。作品に描かれる形や色、物の一部が、パブロ・ピカソのことを思い出させてくれます」とマシューさんの作品を、ピカソを連想させると絶賛した。
マシューさんは絵を描き始めてから美術書に夢中になり、そのなかでピカソの作品を多く目にしてきた。それでもこれだけの作品を自身のセンスで描き続けるマシューさんは、才能溢れる画家と言えるだろう。
油絵の具やアクリル絵の具などを使って描くというマシューさんは、自身のアパートにもその作品を多く飾っている。絵の完成度については強いこだわりがあり、満足できないとすぐに捨ててしまうこともあるそうだ。
それでも「絵を描くことは、私の感情や考えを伝える手助けとなるのです」とマシューさんは話しており、「家族や私の父も私のことを誇りに思ってくれていて、本当に嬉しいです。私は絵を描いている時、自分の作品が本に載っていることを想像しています。世界に私の作品を見てもらいたいのです」と今後の展望を明かした。
大きな夢を実現させるため、マシューさんはすでに動き出している。脳に障害を持つ人のためのサポート団体「Headway Derby」の協力を得て、ダービーにあるアートギャラリー「Derby Museum and Art Gallery」で今月から始まる自身の作品展に50点を展示するそうだ。
画像は『The Mirror 2021年10月4日付「Man hailed as ‘new Picasso’ discovered incredible talent after traumatic crash」(Image: Derby Telegraph)』『Derby Telegraph 2021年10月3日付「Derby man hailed as ‘new Picasso’ after discovering his talent following traumatic crash」(Image: Derby Telegraph)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)