彼を見つけることができないまま3日が過ぎた。
そして7月27日の捜索で、アーモンさんのものと思われる青いシャツが木の枝に引っかかっているのが発見された。警察は「タイ・エレファント・アライアンス協会(Thai Elephant Alliance Association)」に協力を仰ぎ、近くの「パタラ・エレファント・ファーム(Patara Elephant Farm)」の象使いとゾウが捜索活動に加わった。
翌28日の午後遅く、ゾウは森の中を1時間ほど歩いた後それ以上進むことを拒否した。そして耳を広げてその場を歩き回り、地面に鼻を何度も叩きつけたのだ。これはゾウが何か問題を見つけた時の合図だという。
警察や救助隊がその周辺を捜索すると、竹やぶに横たわっているアーモンさんが発見された。ゾウが立ち止まった場所からわずか10メートルほど離れたところだった。
アーモンさんは16日間何も食べておらず、立つことができないほど衰弱していたが、水場を探して過ごしていたため生き延びることができた。彼を見つけた救助隊はすぐに水と食べ物を差し出し、その後ハングドン病院に搬送した。
パタラ・エレファント・ファームのオーナーであるテーラパットさん(Theerappat Trangprakarn)は、アーモンさんが発見された時の状況についてこのように明かしている。
「発見されたのは、バイクが放置されていた場所から3キロほどしか離れていませんでした。そこは誰もが捜索していた場所です。でも見つけられず、何かが私たちの目を覆っているようでした。今回ゾウが見つけることができたのは、彼らは匂いに敏感だからです。ゾウは犬のようなコミュニケーションを取ることはできませんが、犬より鋭い嗅覚を持っていると思われます。」
画像は『Chiang Rai Times 2021年7月29日付「Elephant Helps Find Man Missing for 16 Days in Northern Thailand Forest」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)