アンドリューさんが目撃した時にヘビはすでに牛の口の中にいたので、どのような経緯でこうなったのかは不明だという。アンドリューさんは「おそらく牛がヘビを踏んづけたか、ヘビの行く手を邪魔したとかでヘビが牛の舌に巻き付いたのではないか」と推測している。
その後、職場に到着したアンドリューさんが撮影した写真を上司に見せたところ、かつて牛舎で働いていた上司や地元に住む人々も「本当に珍しい」と驚いていたそうだ。
クイーンズランド州西部で牛の放牧を行い、自然史家でもあるアンガス・エモットさん(Angus Emmott)は今回の牛の行動について「実はクイーンズランド奥地の乾燥した地域では、牛が死んだカンガルーや仲間の牛を食べていることが知られています」と明かし、こう続けた。
「やはりヘビを口にしているのは大変珍しいことです。私も見たことがありません。」
「もしかしたらこの牛は、たんぱく質とヘビに付着した微量の元素を取り込むためにヘビを噛んでいたのかもしれませんね。」
アンドリューさんによるとこの牛はその後、いつもとは違う食事に興味を見せる様子もなく、息絶えたヘビを口から落としてどこかに行ってしまったそうだ。
自然界というものは知られていないだけで、実はこのような珍しい光景にあふれているのかもしれない。つい先日も米メリーサンド州で、サギに丸のみされたウミヘビが喉元を突き破り、垂れ下がっている驚きの姿が写真に収められたばかりであった。
画像は『ABC News 2020年10月28日付「Cow caught chewing on a large python in outback northern Australia」(Supplied: Andrew Gertz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)