アリーさんは時間があればバニーの硬直した身体を伸ばしてマッサージをした。また下痢と便秘を繰り返すバニーの身体をキレイに拭いてやるなど、できる限りのことをした。
日中は仕事し、夜はバニーのケアに追われたアリーさんは当時のことをこう振り返る。
「バニーは獣医である私でも見ているのがつらいケースでした。何度も涙を流してはぬぐい、治療を初めて5日目には『助けるという決断は間違っていたのだろうか』と思ったほどです。精神的、肉体的にも疲れ切った私を支えてくれたのは夫マットであり、決して諦めなかったバニーでした。」
「治療を初めて7~10日後、バニーにわずかながら回復の兆しが見られることに気付きました。私はバニーの頑張りに自分を奮い立たせ、それを励みに希望を見出しました。そうしているうちにバニーは、私がそばに行くと寝ながらですが尻尾を振るようになったのです。」
「こうして治療から18日目、私は硬直したバニーを両手で抱えて立たせてみました。でも立つことはできず、バニーはそのまま後ろに倒れ込んでしまいました。その2日後のこと、私が昼食のために自宅に戻ると、バニーは尻尾を振って興奮し、自ら身体を起こして立ちあがったのです。『この子はなんて強いの!』と私まで興奮しました。」
バニーに奇跡が起こったのは、治療を開始してから3週間経った5月6日のことだった。仕事から戻ったアリーさんが車から降りると、外の芝生にマットさんと一緒に横たわっていたバニーが立ち上がり、アリーさんに向かって歩いてきたのだった。アリーさんは誇りに満ちた顔で一歩一歩ゆっくりと前に進んでくるバニーを見て涙を流し、ギュッと抱きしめてキスをした。
バニーはその後も順調に回復を続け、アリーさんはバニーをペットとして引き取ることにした。
「最初は引き取るつもりはなかったのですが、バニーはもう家族同然です。いつも私の後をついてくるんですよ。私にとっては特別な存在なのです。それにとてもハッピーで、多くの人々に喜びを与えてくれるのです」とアリーさんは明かす。Instagramにはバニーの回復までの様子を投稿しており、今年7月に『The Dodo』『Animal Channel』などが伝えて拡散した。
最近のInstagramではバニーが元気にフロリダの海を走り回る様子などが投稿されており、そこには「破傷風サバイバーである勇敢な闘士」として、アリーさんがこんなメッセージを残している。
「病気の犬にどんなに愛情を注いでケアしてもダメな時もあります。でもバニーは生き抜き、私たちに『どんなにつらくても決して諦めてはいけない』ということを教えてくれたのです。だから多くの人に、闘い抜いたバニーについて知ってもらいたいと思います。そしてバニーのように強く勇敢に生きて欲しいのです。」
フォロワーからは「バニーが生き抜いたのは、あなたの愛情があったからこそ。これこそ無償の愛。諦めないでいてくれてありがとう」「バニーはあなたの愛に応えてくれたのよ。涙が出て止まらなかった」といった温かいメッセージが多数寄せられている。
画像は『Bunny 2020年7月4日付Instagram「FINAL CONTINUED from 3 posts back.」「2 aLL my friendZ!」、2020年6月9日付Instagram「wUt do mEaN it’s only tUesDay」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)