苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は直接触れると熱傷したり、ほんの1滴でも目に入ると失明の恐れがある劇物として知られている。このたび米ワシントン州に住むスペイン出身の24歳の女性が、自宅で石鹸を作っている最中に苛性ソーダを顔に浴びて重傷を負った。
米ワシントン州シアトルで2年前から夫と2人で暮らしているマルタ・ブストスさん(Marta Bustos、24)は6月11日、自宅で石鹸を作っていて苛性ソーダを顔に浴び、角膜に重度の熱傷を負った。
地元の小さな病院に搬送されたマルタさんはその後、シアトルのハーバービュー・メディカル・センターに転送されて治療を受けたが、角膜だけでなく瞼にも熱傷を負っており、目を開けることができない状態だった。また熱傷は口や鼻の中にも及び、入院直後は激しい痛みとショックで泣いてばかりいたという。
しかし入院中に4度の手術を受け、少しずつ落ち着きを取り戻したマルタさんは、事故から10日後の6月21日に退院。そしてその2日後には医師から初めて「角膜移植をすれば再び目が見えるようになるかもしれない」と告げられた。
マルタさんは日本時間の6月27日、夫のデイビッドさんとの写真をInstagramに投稿すると、次のように綴った。
「事故当初は相当落ち込んだし、つらかった。でもこうして生きていることは幸運だし、顔の熱傷は医師も驚くほど順調に回復しているの。私の目は光を感じることはできるけど、視力は戻っていないわ。自分の顔を見ることができないから、デイビッドに熱傷の状態を説明してもらったの。私を支えてくれる彼には本当に感謝しているわ。」