2013年のヒット曲『XO』と2008年のバラード『Halo』を熱唱、『XO』では曲の途中に登場する“crash”、“kill”といった墜落事故を連想させかねない言葉を“laugh”、“kiss”に変えるという配慮を見せた。
コービーとジアーナさんが亡くなった先月26日に、同じ「ステイプルズ・センター」で開催された第62回グラミー賞授賞式で司会を務め、
「アメリカ、そして世界は“英雄”を失いました。」
と追悼の辞を述べていたアリシア・キーズはこの日、コービーと妻ヴァネッサさんが大好きだというベートーヴェンの『ピアノソナタ第14番~月光~』を演奏。アリシアはのちにInstagramを更新し、
「コービーがあなたへの深い愛を伝えるために、この曲を練習すると誓ってくれた―そんな美しいラブストーリーを話してくれた時、私は驚きで言葉を失いました。」
「コービーや娘さん達とあなたが深い愛情で結ばれている―私は今日、一音一音にそんな思いを込めて演奏しました。」
とヴァネッサさんへ向けてメッセージを綴っている。
最後はクリスティーナ・アギレラがオーケストラをバックにシューベルトの『アヴェ・マリア』をイタリア語で熱唱、スクリーンにはジアーナさんの写真が大きく映し出されて会場の涙を誘った。
この日は歌のパフォーマンスだけでなく、数々の感動的なスピーチも見られた。なかでも“バスケットボールの神様”の異名を持つマイケル・ジョーダンはコービーとの数々の友情エピソードを披露、昼夜を問わず頻繁に連絡してくる若きコービーを最初は疎ましく感じるも、彼のバスケットボールへの情熱や人懐っこい性格に次第に惹かれていき、いつしか「愛する“弟”のために、最高の“兄”でありたい」と思うようになったと明かした。
号泣する自身の姿を「向こう3~4年はネタにされてしまう」と述べ、しんみりした会場を一瞬にして笑いに変えたマイケル。約11分に及んだ彼の愛情溢れるスピーチは大きな感動を呼び、最後はスタンディングオベーションとなった。
17歳でコービーと知り合い彼の最初のガールフレンドに、そしてのちに妻となったヴァネッサさんは、およそ20分にわたって最愛の夫コービーとジアーナさんとの思い出を語った。ヴァネッサさんはもう娘に車の運転を教えてあげることはできない、美しいウェディングドレス姿を見ることも叶わないと悲痛な思いを吐露する場面も見られたが、「おやすみとおはようのキスを欠かさない、思いやりに溢れた娘だった」と愛する我が子との日々を回想した。
時折言葉を詰まらせ、深呼吸をする場面が見られたヴァネッサさん、そのたびに会場からは励ましの拍手や声援が送られ、最後は
「ベイビー、私達のジジ(次女ジアーナさん、享年13)を頼んだわよ。ナニ(長女ナタリアさん、17)とBB(三女ビアンカ・ベラちゃん、3)、ココ(カプリちゃん、生後8か月)のことは私に任せて。私達は今も最高のチームなのだから。」
と涙をこらえながらスピーチを締めくくった。
会場にはNBA選手らをはじめ、水泳金メダリストのマイケル・フェルプス、スヌープ・ドッグ、ポーラ・アブドゥル、キム・カーダシアン、カニエ・ウェストら多数のセレブ達が参列、マイケル・ジョーダンのスピーチでは、ジェニファー・ロペスが号泣する姿も見られた。
なお海外の多数のメディアはヴァネッサさんがこの日、墜落事故を起こしたヘリコプターの運行会社「アイランド・エキスプレス」ならびに事故当日に「シコルスキー(Sikorsky) S-76」を操縦していたパイロットを相手取り、不法死亡訴訟を起こしたことを大きく報じている。
画像は『Vanessa Bryant 2020年2月5日付Instagram「#mybestfriend #theBestdaddy Miss you so much.」』『Alicia Keys 2020年2月24日付Instagram「Celebrating Kobe and Gigi」』『Christina Aguilera 2020年2月24日付Instagram「Rest in perfect peace, Kobe and Gianna Bryant.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma)