次のように語っている。
「私は食事から栄養を摂る代わりにサプリメントを服用していましたが、それは汚染されていました。しかし私が唯一続けられるものが、それしかなかったのです。レース出場停止となってからの私は、自転車に乗るたびに泣かない日はありませんでした。当時は落ち込んでヤケクソになっていたのです。」
摂食障害と闘いながら競技生活を続けるなかで、必要とされる栄養源を摂取し、唯一体内に留めておくことのできる手段がサプリメントであったブライコヴィッチ氏にとって、ドーピング検査での陽性反応は去るも地獄残るも地獄とも言える宣告であったに違いない。
そのような状況から立ち上がり、今回のレース復帰となったブライコヴィッチ氏だが、脚の写真はある意味彼のけじめのようにも感じられる。またクロアチアのスポーツドクターであるナターシャ・デスニカ医師(Natasa Desnica)は、ブライコヴィッチ氏の脚について次のように述べている。
「このスポーツにおいてこれはよくあることなのです。私はフランス、イタリア、スペインで3週間に及ぶレースの後、同じような状態の選手に会いました。彼らの脚は脱水により信じられないほど萎み、皮下脂肪が無いため骨や静脈をはっきりと目にすることができます。」
「解剖学用の標本のようにはっきりと筋肉が見えるのです。幸いにも選手たちの脚は比較的早く回復します。ブライコヴィッチ氏の脚も同様のことです。注意すべきはどのくらい長く自転車に乗ると選手の健康に影響が及ぶか、ということです。」
ブライコヴィッチ氏は2004年のスロベニア国内選手権U-23部門のタイムトライアルで優勝を飾っているが、今回復帰を果たした同氏にファンの期待も一層高まることだろう。
画像は『Jani Brajkovic 2019年9月29日付Instagram「It’s only about not fucking it up now」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)