2011年6月に糞便性大腸菌群(イー・コリまたはイー・コライ)に汚染されたハンバーガー用パティを食べた10歳少年(当時1歳11か月)が、今月14日に病院で亡くなっていたことが明らかになった。『Le Parisien』によると、少年は大腸菌への感染をきっかけに身体の80%が麻痺し、回復することがないまま死亡したという。
フランス北部オー=ド=フランス(Hauts-de-France)地方に住むノーラン・モアティエ君(Nolan Moittie)は2011年6月、ドイツのスーパーマーケットチェーン「リドル(Lidl)」が販売するハンバーガー用パティを食べた後に体調を崩し、死の淵をさまよい昏睡状態に陥った。その後神経に障がいが出現し身体の80%が麻痺してしまったノーラン君は、自分一人で歩くことや話すこと、食事をすることもできなくなり、精神的にも障がいを抱えるようになった。
同地域では当時、同社が販売するパティを食べた子供約15人が下痢や発熱の後、溶血性貧血と急性腎不全を伴う症候群(HUS)を発症し、一生涯にわたり腎臓機能の障がいを背負うという悲劇をもたらした。その中でもノーラン君は2歳前と幼かったことから症状が最も重く、麻痺により基本的な生活を送ることさえ困難になってしまった。
大手のスーパーが販売するパティが大腸菌に汚染されていたというニュースは当時のフランスで大きく取り上げられたが、