続いて大船渡市立越喜来(おきらい)中学校全校生徒44名も参加して『ひまわりの約束』を全員で聴かせた。100名を超す学生たちの美しい合唱と、秦の歌声が見事に重なり、温かく優しい世界を会場いっぱいに生み出した。
実はこの音楽祭を前に、秦は2月15日に越喜来中学校を訪問して練習中の生徒たちを激励し、翌16日には高校生たちの合唱練習に参加している。越喜来地区は震災当時に津波に襲われた場所だが、秦は当時の様子を聞きながら越喜来湾の防潮堤も見学したという。ステージで秦は「すごくアットホームで素敵な中学校でした」と印象を語り、新しいスタートを切る学生もいるこの時期に際し「今日のステージで一緒に歌えることがいい思い出になって頂けたら」と期待を寄せた。
音楽祭前半では不来方高校音楽部、釜石高校音楽部、越喜来中学校全校生徒が、ピアノの伴奏で伸びやかで清らかな歌声を会場に響かせた。3校が合同で披露した『群青』でスタート、ときに体を揺らしたり、手で感情を表現するなど目でも楽しませ、客席も手拍子で参加した。また、岩手県出身の詩人・童話作家の宮沢賢治が作詞・作曲した『星めぐりの歌』では、客席後方から生徒一人ひとりがペンライトを手に登場し、まるで星空の中で歌声を聴いているような演出を見せた。
また『東北地方の三つの盆唄から「さんさ踊唄」』では、盛岡を代表する祭り「盛岡さんさ踊り」の踊り手30名も加わり、幸せを呼び込む掛け声「サッコラチョイワヤッセ」を威勢よく発しながら、太鼓や笛の音とともにくるりくるりと華やかな衣装で優雅に舞った。踊り手の一人は「不来方高校の素敵な歌声と共演できて、とても楽しく踊ることができた」と合唱とさんさ踊りの“融合”を喜んだ。
同音楽祭のもようは、4月27日に岩手朝日テレビで、4月28日にBS朝日にて放送予定。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)