
広大なロシアについて、モスクワ、サンクトペテルブルク、クレムリンなどは有名だが「それ以外の土地の名前はどうもわからない」という人々は多い。ロシア・ケメロヴォ州のケメロヴォにあるショッピングセンター「Zimnyaya Vishnya」で大火災が起き、大変な数の犠牲者が出たことを先にお伝えしていたが、欧米の大手メディアですら第一報ではその店について“Zimnyaya Vishnya shopping centre in Kemerovo, Siberia”などと報じていたほど。欧米のメディアがロシアではなく“シベリア”を使用することはこれまでも多々あったが…。
シベリアトラ、シベリアンハスキー、シベリア警察、シベリア鉄道、シベリアのメディア、シベリア抑留など、それは普遍的なものとして使用されてきた“シベリア”という言葉。しかし地理の専門家はともかく、正しく「シベリアとはここ(このあたり)」と言い当てられる人は世界にどれほどいるのであろうか。
そんななか、先の大火災のニュースで“シベリア・ケメロヴォ州のショッピングセンター”と伝えていたメディアのひとつである英『Metro』が出した答えは、“シベリアとは国名でも旧ソビエト連邦から独立した共和国でもなく、途方もなく広大な地域を差す。具体的には中央ロシア、南ロシア南部、北西ロシア、極東ロシア、そして沿ヴォルガ・ウラル軍管区以外の部分である”というもので、どこか釈然としない。
海外の土地名について確認が必要になった時、記者が頻繁にお世話になるのはおなじみの『Google Map』である。だがそこに「Siberia」と入力して検索してみるものの、実はこんな地図しか表示されなかった。日本語で「シベリア」、あるいはもう少し詳しく「シベリア連邦管区」、そしてロシア語で「Сибир」と入力しても同様に範囲が指定されなかったのだ。
その記事によれば、