
2013年に国際連合食糧農業機関(FAO)が「昆虫は食料源となる」と公表したことにより、昆虫食が見直されてきた。日本でもイナゴや蜂の子などが古くから昆虫食として受け入れられてきたものの、“虫を食べる”という違和感からか世界では食品としての広がりを見せていないのが現状である。こうした中、スイスのスーパーマーケットチェーン「コープ(Coop)」が昆虫を材料にした商品を今月21日から販売することを発表した。
コープが販売を決定したのは、スイスの昆虫食開発会社「エッセント(Essento)」の商品であるゴミムシダマシ科の甲虫の幼虫“ミルワーム”を原料にしたハンバーガーとミートボールである。
ハンバーガーにはミルワームのほかに米やニンジン、セロリ、ネギ、そしてオレガノやチリなど数種類の香辛料が加えられ、野菜やソースとともにパンに挟むと美味しく食べられるように仕上げられている。またミルワームにヒヨコマメ、タマネギ、ニンニクのほか、コリアンダーやパセリなどの香辛料が入ったミートボールは、新鮮な野菜やヨーグルトソースとともにピタパンに挟むのがお勧めだという。
コープ生鮮食品部部長のシルヴィオ・バセルジャ氏(Silvio Baselgia)は「当社は以前から昆虫食の販売を切望していました。エッセント社の商品は上手に味付けや調理がされており、昆虫食の多様性を認識できるものとなっています」と述べている。