『アマク通信』を通じてISがこのほど公開した19分ほどのビデオ映像とともに、中東のメディア『aljazeera.com』が報じたところによれば、処刑が行われた場所はシリアのアレッポとみられ、犠牲となったのは捕虜であったトルコ軍の兵士2名。大きなケージで運ばれてきた彼らには灯油らしきものが注がれ、少し離れたところの火は鎖を伝わって彼らのもとへ。軍服に火がついて炎が上がると2人はその場に崩れ、やがて真っ黒な焼死体と化した。
ISがこのむごたらしい映像を突き付けた相手は、ほかでもないトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領であった。ロシアのアンドレイ・カルロフ駐トルコ大使が19日、首都アンカラで開催された写真展で「神は偉大なり」と叫ぶ男の凶弾に倒れて死亡した事件の後、トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が電話で対談。「彼らの挑発行為にだまされることなく、両国は協力しあってテロとの戦いを続ける」と宣言したことに対抗し、トルコを壊滅させてやるとの脅しの言葉も聞き取れるという。
またシリア北部のバーブでは22日からトルコ軍による激しい空爆が続き、子ども24人を含む市民88人が死亡したとも報じられていた。一方でトルコでは自爆テロにより16人の兵士がシリアで命を落としたことが伝えられ、その直後にこの処刑映像の公開とあって、ここ4か月にわたるシリア北部の制圧に向けたトルコの戦闘行為もダメージは相当大きい。
なお、この映像に関してトルコ国内では事件の報告を確認するとともに閲覧には検証が必要であるとして事件を伝える内容のウェブサイト、Twitter、YouTube、Facebookのページに対しては、アクセスがブロックされる現象も起きているもようだ。
出典:http://heavy.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)