8月26日に公開された長編アニメーション映画『君の名は。』は、東京に暮らす男子高校生・立花瀧と飛騨の山奥にある糸守町の女子高生・宮水三葉の身体がある日突然入れ替わることから物語が始まる。2人の声を神木隆之介と上白石萌音が務め、『前前前世』など音楽をRADWIMPSが担当して話題となった。なによりモデルとされる飛騨古川駅など風景描写がリアルで見る人を引き込む魅力がある。
10月1日に『王様のブランチ』(TBS系)で放送されたインタビューで新海誠監督は「過去作品の要素がたくさんある。僕が描いてうまくいったと思う部分、お客さんがすごく良かったと言ってくれる部分など、全部盛りぐらいの作品にしようと作った。過去作品を知っている人ほど、今回の作品を楽しんでもらえると思う」という。
監督が2002年に劇場デビューを果たした『ほしのこえ』は近未来を舞台に、同級生の男女が宇宙へ旅立ち離れ離れとなる。連絡をとるにはメールで1年以上かかり「私たち、宇宙と地上に引き裂かれた恋人みたい」とたとえる究極の遠距離恋愛を描いた作品だ。『雲のむこう、約束の場所』(2004年)は北海道が別の国となった日本を舞台にしており、監督は主人公たちの気持ちになるため『北の国から』のCDを聴きながら制作に没頭したそうだ。
さらに『秒速5センチメートル』(2007年)では主題歌に山崎まさよしの『One more time,One more chance』を用いて話題となり、『星を追う子ども』(2011年)は監督が影響を受けたスタジオジブリ作品のテイストを大胆に取り入れている。2013年に公開した『言の葉の庭』では新宿御苑を舞台に甲州街道の交差点や建ち並ぶビルといった東京の風景、そして様々な雨をリアルに描写して登場人物の心を表現して見せた。
これまでの作品では「男女のすれ違い」、「リアルな風景描写による映像美」そして「音楽と映像のシンクロ」が追求されている。それを見てきたファンだと自認する番組MCの新川優愛は『君の名は。』について「前から見ている身としては、新海監督の全部のいいとこどりをしたのでは」と評している。そんななか進行のLiLiCoから紹介されたのが2014年にYouTubeで公開されたZ会通信教育のCM動画『Z会 「クロスロード」 120秒Ver.』だった。
『言の葉の庭』の後に発表された作品として、CM動画ではあるが『君の名は。』のひな型と言えるだろう。大学受験を目指す東京の男子高生と離島に暮らす女子高生が合格発表で出会うまでを2人の存在を添削を通して気にかけるZ会の講師を交えて描く。2分間の物語を見ながら新川優愛の目から涙が溢れた。「どうして…我慢してたんですけど」と涙を指でぬぐう彼女は「ちょっと危ないなと思ってたけど、やっぱりダメでしたね」と苦笑していた。
若者を中心に人気の出た『君の名は。』だが、その魅力が口コミで広がりより幅広い層に支持されている。まだまだその人気は収まりそうにない。
出典:http://ameblo.jp/yua-shinkawa
出典:https://twitter.com/kiminona_movie
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)