1年ほど前、米ミシガン州で夫婦が拳銃で撃たれ、夫のみが死亡という事件が起きていた。その一部始終をじっと見ていたのは、実は夫妻が飼っていたヨウム(大型インコ)。事件の状況を赤裸々に喋っては遺族を驚かせ、捜査を進展させた可能性もあることを同州のメディア『wood-tv』が伝えている。
同州サンドレイクのエンズレータウンシップで昨年5月、マーティン・デュラムさん(当時45歳)と妻のグレナさんが、マーティンさんの拳銃で撃たれるという事件が発生した。5発被弾して死亡したマーティンさんと、急所には当たらず幸いにも治療により回復したグレナさん。何者かが自宅に侵入してマーティンさんの拳銃を奪った可能性もある中、グレナさんは「事件の記憶がない」としていた。
ギャンブル癖や借金などが原因で夫婦仲は悪かったが、警察の事情聴取では「決して夫を撃ったりしていない」と断言していたグレナさん。しかしそれから1年。事件の前に遺言のような手紙を書いていたことも発覚し、夫を射殺した後でグレナさんが自殺を図ったとみてミシガン州警察はさらなる捜査を進めており、グレナさんに対する立件については3週間以内に結論を出すとしている。なおグレナさんは「そのような手紙は書いた覚えがない」としているが、筆跡鑑定では彼女のものと判断されたという。
実はそこに至るまで、デュラムさん夫妻が飼っていたヨウム(大型インコ=African grey parrot)の“バド”が大きな役目を果たしていたことに注目が集まっている。バドは事件後マーティンさんの実家に引き取られたが、事件をよく知っているかのような言葉を繰り返し放つためマーティンさんの父チャールズさん、母リリアンさんは動揺。警察に「ヨウムの話す言葉に耳を傾けてみてほしい。息子は不本意にも撃たれたようだ」と改めて捜査を依頼したのである。
バドの様子はメディアにも動画で公開されたが、ヒトの男性のような低い声のトーンと女性のような高いトーンを使い分けながらバドは一人二役で口論を繰り広げている。デュラムさん夫妻が発砲の直前まで激しい口論をしていたと受け止めることも不可能ではない。そしてバドは、マーティンさんを思わせる声で何度も「Don’t fxxing shoot!(どうか撃たないでくれ!)」と口にするのであった。
その動画を見たグランドラピッズにある鳥専門店のオーナーは、「ヨウムはちょっとした言葉でもすぐに覚えられます。声の高低で男女の二役を演じているようですね」などと解説している。ただしTVドラマの登場人物の言葉を真似ている可能性なども否定できないことから、バドの言葉にどれほどの法的重要性を認め、証拠として生かすことができるか捜査関係者も慎重な姿勢を崩していないもようだ。
出典:http://woodtv.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)