胴体が木の枝にそっくりという「ナナフシ」。この大変珍しい昆虫が、人工的な飼育のもとで信じられないほどのサイズに成長しているそうだ。豪・メルボルンから珍しい話題が飛び込んできた。
「ナナフシ(ナナフシモドキ 英名:Baculum elongatum/Ctenomorpha chronus)」と呼ばれる、木の枝にそっくりなナナフシ目ナナフシ科の昆虫をご存知であろうか。そのか細く長い胴体から6本のこれまた非常に細長い脚が生えており、クネクネとよく動く。よく似た「エダナナフシ」はこれより触覚が長い。メスの体が緑色であるのに対しオスは褐色でメスよりも細長く、日本では本州以南に広く棲息しており、木の枝に紛れてまったく人目につかないと言われている。
そんな「ナナフシ」の中でも特に巨大かつ絶滅の危機に瀕している“Ctenomorpha gargantua”と呼ばれる種類を人工的に繁殖させ、飼育しようとしているのがオーストラリアの「メルボルン博物館(Melbourne Museum)」。2014年に高さ3メートルほどの木で発見し、“Lady Gaga-ntuan”と名付けたメスを手塩にかけて育てたところ、約1年でこれまで知られてきた体長の最高記録を2ミリ更新し、なんと56.5センチに。オーストラリアで最も大きな昆虫として認定されたそうだ。
画像は豪メディア『abc.net.au』によるその記事のスクリーンショット。女性の腕を這っているこのナナフシは今月15日、同博物館の展示室にデビューする。飼育に携わっているマイク・フィーデルさんは、「ナナフシはクイーンズランドに広く棲息していることがわかっていますが、高さ30メートルの高いところにいることも多く、低い位置にいても目立たない保護色であることから発見の報告がほとんどありません。最近になって第二世代が卵を産みつけたため誕生が楽しみです。そちらはもっと大きく育つかもしれませんよ」と嬉しそうに語っている。
出典:http://www.abc.net.au
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)