このほどパリで起きた大規模な無差別テロ事件を受け、世界の大都市に「イスラム国(IS)」に狙われるのは次は自分たちかといった強い恐怖が渦巻いている。特にそれを強く感じているロンドン市民の不安はただではないもようだ。
武装した警察官を見るだけでも心拍数が高まるというロンドン市民。彼らが今もっとも恐れているのはISによる無差別テロ事件が自分たちの間近で起こることである。16日午後4時45分にはロンドン地下鉄ノーザン線およびヴィクトリア線の駅である「ウォーレンストリート」が完全にパニックと化したことを『express.co.uk』が伝えている。
ウォーレンストリート駅全体が封鎖と決まり、大勢の利用客が地上へと避難させられた原因は、同駅に向かって走行中であったヴィクトリア線の列車から煙のにおいがすると通報があり、ウォーレンストリート駅に到着するや突然ストップしてしまったことにあった。トンネル内で停止した列車に“閉じ込められた=テロ”と恐怖感を募らせた複数の利用客が緊急停止装置を作動させたこともわかっている。
これによりラッシュアワーに入ったヴィクトリア線ではオックスフォードサーカス、ヴィクトリア、キングスクロスといったの多くの駅が列車を待つ利用客であふれ返るなど大きな影響が出た。ウォーレンストリート駅ではイギリス鉄道警察(British Transport Police)の武装した警察官がなだれ込み、利用客の間に極度の緊張が走ったもよう。しかしロンドン交通局(Transport for London)がその後、車両に不具合があったことを発表して一件落着となった。
トンネル内で止まった列車に複数の乗客がテロを思い浮かべたと同様、警察も爆発物を持った何者かが自分たちの近くにいるという可能性を視野に対処するほかない。またそんなフル武装の警官の存在を目の当たりにし、市民はさらなる恐怖に包まれてしまったという。ISが標的だと挙げたすべての都市で同じような事態が起き始めている。市民の暮らしに冷静さと平和への安心感が戻るのはそう簡単なことではないようだ。
※ 画像はexpress.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)