過激派組織「イスラム国(以下IS)」の顔とも言われてきた、ジハーディ・ジョンこと英国籍のモハメド・エムワジ容疑者が米軍のドローン爆撃を受けて死亡した。それから間もなく、仏パリとその近辺の複数の場所で銃乱射と爆発が起こり大変な数の死傷者が出たが、この犯人についてはシリアやイラクでISの訓練を受けて帰国した戦闘員ではないかという説が有力視されている。彼らのきわめて危険な動きが活発化している中、なんとシリアでは初めてISが中距離ミサイルを放ったことが報じられた。
シリアの都市タル・アブヤドの南方約50kmにあるアルヘイシャという村で12日午前、ISが初めて中距離ミサイルを発射したことを英メディア『dailymail.co.uk』ほかが伝えた。巻き添えをくらった一般人4名の死亡が確認されている。
ミサイルは北方向約10km(タル・アブヤドの南方約40km)のターゲットに向けて4基打ち上げられたが、最初の1基はすでに廃墟と化した村に落下。続いてはターゲットから200m、そして50m離れた地点に落下し、最後の1基は700m離れた農場へ。何の罪もない子供と30代から80代までの計4名が命を奪われてしまった。
ISがターゲットとしたのは、自由シリア軍系の反政府グループ「ラッカ革命旅団(Raqqa Revolutionaries’ Brigade)」が新しく設けた戦闘員育成キャンプであった。そこでは翌日に第一期生の卒業式を予定しており、輩出された戦闘員はISと戦うことになる。銃乱射、爆弾テロの域を超え、ISが高度な戦闘力を持ち始めていることに震撼せざるを得ない。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)