健康長寿を考える上で、食生活だけは優等生で通ってきた日本人。しかし睡眠のスタイルとなるとかなりランクは下がりそうだ。ウエストゴムのきついパジャマのズボン、すっぽりと首筋まで布団をかぶりたくなるような寒い寝室。それを米TVドラマの寝室のシーンのような、裸か薄着のスタイルに変えてみるのはいかがであろうか。
年齢別の理想の睡眠時間など、睡眠についてのあらゆる研究発表を行なってきた米国の「The National Sleep Foundation」という財団が今、「より質のよい睡眠を希望するのであれば、パジャマやTシャツを身に着けず裸で寝てみてください」と提唱している。ペンシルベニア州フィラデルフィアにある「ジェファーソン大学病院/睡眠障害専門クリニック」のカール・ドグラムジー博士は、その根拠をこう語る。
「体温が低めの方がより静かで深い眠りにつけるためです。睡眠と密接な関係にあるメラトニンというホルモンは、夜間の冷えた環境、すなわち体温が下がっていると感じることをきっかけに分泌されると思われます。」
「また1日の終わりに肌と肌を重ね合わせるということは、家族としての親密さや愛情をより高めることに役立ち、お休み前のメイクラブは特に男性において熟睡が可能となります。」
就寝前の性交渉に関してはイタリアの「ユーロスリープ学会」が数年前、“最も優れた快眠方法は寝る前の性行為。体の強い刺激と興奮でいったんは交感神経が優位になるが、行為が終われば体や心をリラックスさせる副交感神経が高まるためだ”と発表していた通りである。女性についても、愛する男性との肌のふれあいにより脳内に“幸せホルモン”と呼ばれる「セロトニン」、“愛情ホルモン”と呼ばれる「オキシトシン」などが分泌されることから、男性と同様に深い眠りにつけると考えられるそうだ。
ちなみに1年ほど前、「The National Sleep Foundation」は“裸で眠ると痩身にもつながり、糖尿病の発症を防ぐ効果もありそうだ”と述べていた。裸で眠るとよいことづくめという感じだが、ドグラムジー博士は「パジャマを着ている方が快適だと感じるのであればそれでも結構です。その場合は室内の温度設定を若干低めにしてみるとよいでしょう」としている。アメリカでは“寝室の理想的な温度は摂氏20度かそれ以下”と示されることがある。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)