南アフリカ・ダーバンから16km西に位置するパインタウンの民家に、イスラム国の黒い旗が掲げられているという情報が南アフリカ地域社会活動機関に寄せられた。この家に住む男性は「誰かが勝手に庭に侵入して(イスラム国の)旗を立てた」と主張していたが、調べを進めるうちにこの男性の大ウソと恐ろしい事実が明らかになった。
南アフリカ地域社会活動機関によると、報告された旗は二つあった。一つはポールに掲揚されており、もう一つは印刷された旗が壁に貼り付けられていたというものだ。
その後、判明したところによると、この家の持ち主はジュリアン・エリック・ムーアさん。ムーアさんによると誰かが勝手に庭に侵入し、木に登って枝に黒い旗を縛り付けたとのことであった。ムーアさん自身もソーシャルメディアでその写真を見るまでは、自宅の庭にイスラム国の旗が掲げられているなどとは夢にも思わなかったという。
現地ニュースメディア『News24』の取材に対し、ムーアさんは「ソーシャルメディアで自分の家の庭の写真を見たときは笑ったよ。でもここで誰かが殺されたわけでもないし、全く問題はないよ」とのコメントで今回の騒動を一蹴した。
さらには「イスラム国は南アフリカではテロリスト組織としてリストアップされていないし、ここでは問題ない。アパルトヘイト時代の旗を掲げている人がいても気にしないよ」といかに自分がおおらかな人間であるかについても饒舌に語っていた。
しかし、事実は違っていた。調べが進むにつれ、ムーアさんの別の一面が明らかになってきた。地方紙『The Witness』によると、ムーアさんの本名は“ファズバズ・バシアー”であり、イスラム国の思想を認めていることが明らかになった。またその中でムーアさんは「ラッカやシリアで多くの同胞が殺されている。我々も復讐をしなければ」など、過激なコメントを寄せていた。
そしてとうとうムーアさん自身が、実はイスラム国の旗を庭に掲げたのは自分自身であることを認めた。旗は現地時間の14日に掲げられ、18日には撤去されているが、当初の「旗を掲げたのは自分ではない」という主張から一転、ムーアさんは「自分にはイスラム国の旗を掲げる権利がある。自分の政治的見解を表すのは表現の自由。米、英、仏、露はシリアへの空爆を今すぐ止めるべきだ」と語っている。
※ 画像1枚目は『The Witness』、2枚目は『SA Breaking News』のスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)