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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】献体された「ヒトの脚」盗まれる。何者かが違法業者にリークか(米)

ロサンゼルスのあるレストランの駐車場に停められていた1台の車から、大きなクーラーボックスが盗まれるという事件が起きた。午前3時すぎといういささか不思議な時間帯であり、その中身はなんとヒトの脚。献体となった遺体から切断されたものであった。

ロサンゼルス・ダウンタウンで19日未明、ある車の荷台に載せられていたヒトの脚が何者かによって盗まれたことを『ロサンゼルス・タイムズ』が伝えた。現場はあるレストランの駐車場。運転手らは店内で食事をとっていたため、駐車場に戻るまでそれに気付かなかったと話している。

盗難被害にあった車は、臓器移植や献体に関してドナーや臓器移植を待つ患者をサポートし、ロサンゼルス郡検視局とは常に協力関係にある非営利組織の「One Legacy」が所有するもの。またその脚は献体が決まったある遺体から切り離されたもので、冷えたクーラーボックスに入れられると午前3時ごろに出発した。しかし運転手はじめ「One Legacy」のスタッフは、食事をしようとレストランに寄り道したという。

ロサンゼルス市警察はドナーのDNAサンプルを入手し、現在その脚の行方を追っているが、クーラーボックスの中で脚は青と透明のビニールで厳重に包まれており、外からはまったく中身を知ることはできないとのこと。そのためロサンゼルス郡検視局長のマーク・ファハルド氏は、LA郡執行官役員会に宛てた手紙の中で「私どもの職員の中に、金銭目的でそうした運搬の情報を外部の何者かに漏らす者がいた可能性があります」と伝えた。

しかしインターネットには“郡検視局と「One Legacy」は共謀している”と指摘する投稿もあり、真相を確かめたいとメディアもそれぞれを追及する構えを見せている。なぜならアメリカでは遺体から無理やり骨や腱、皮膚などの人体組織を入手し、それを欲しがっている医学研究施設や人体組織バンクに売るという違法行為で莫大な利益を得ていた者が、ここ数十年たびたび摘発されてきた。葬儀屋や解剖医が関わる、あるいは買収される例もあるという。

ファハルド氏によれば、せっかくの献体に協力してくれたドナーの遺族には遺憾の意とともに事実を伝えてあるものの、法により厳しく守られているため、それ以上の情報が一般に対して公開されることはないという。

※ 画像はlatimes.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)