伊シチリア島よりさらに南方のマルタ島でこのほど行われたモーターショー。華麗なる走りで人々を魅了するはずであったポルシェ918スパイダーが事故を起こし、大勢の負傷者を出してしまったもようだ。

マルタ共和国のマルタ島で4日の午後に行われた「Paqpaqli ghal-Istrina」というモーターショー。ところがそこで、ベテランドライバーのポール・ベイリー氏が運転するポルシェ918スパイダーがトラックから外れ、誘導路を経て観衆のエリアに突っ込んだことを『timesofmalta.com』が伝えている。

現場となったのは島中央付近に位置するマルタ国際空港の「Park4」、午後2時ごろのことであった。血だらけで地面に倒れ、救急車で病院に搬送された26名の負傷者たち。6歳女の子とその母親も含まれているという。幸いにもいずれも命に別状はないと当初は報じられたが、最新情報では19名が頭部、腹部などにダメージを負っており、うち特に深刻なのは5名。「Mater Dei Hospital」の集中治療室に収容され、次々と手術が行われている。また軽傷の者は「パオラ保健センター」で手当てを受け、自宅に戻ったもようだ。

目撃者は同メディアに、ポルシェがスピンしながら観衆に突っ込み、展示エリアにてやっと止まったことを話し「スピードを落としながら誘導路に入ってきましたが、草に片方の後輪を取られてコントロールを失ってしまったようです。現場は大変な悲鳴に包まれ、一瞬にしてカオスと化しました」と説明。またショーの主催者は「車体、ホイールいずれかに原因があった可能性が指摘されており、事故の原因はさらなる調査が必要です」としている。

なおベイリー氏は事故車のオーナー。本人も重傷を負っているという。このモーターショーはチャリティを兼ねており支持者も多く、これほど深刻な事故が発生したのは初めてとのこと。マルタモータースポーツ連盟は負傷者およびその家族らに対し、「一日も早い回復をお祈りします」とのメッセージを発表した。マリールイーズ・コレイロ・プレカ大統領が予定されていた英国行きを延期して現場や病院に向かい、大司教も負傷者を見舞うなど事態はかなり深刻であったもようだ。

※　画像はtimesofmalta.comのスクリーンショット。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）