普段私たちが何気なく使っているペットボトル。しっかり締まるキャップのおかげで飲みかけの飲料もこぼれることなく大変便利である。だが、そのキャップを“ペットボトルの口を締めるだけのアイテム”から“楽しさを与えるアイテム”へ進化させてはどうかと考えた人たちがいる。『Illumicap(イルミキャップ)』は、世界初、スマートフォンで光をコントロールできるIoTキャップデバイスだ。
キリン株式会社と株式会社WHITEが共同で新しい飲料体験を創出することを目的に開発したIllumicap(WEB SITE: http://www.illumicap.com)。取り外し可能なキャップ部分にBluetoothモジュールとLEDライトを搭載、下面に光を投影するシステムを採用しており、ペットボトル全体に光を投影することができる。スマートフォンの専用アプリには、光の色や明度を変えられる「Color sync」、スマートフォンに保存されている音楽に合わせて光の色・明滅を変えられる「Music sync」、ユーザーの動きに連動(加速度センサーで取得)して光の色を変えられる「Motion sync」の3つの機能があり、これを利用して音楽や人の動きを検知させ、光と連動させることが可能、いろいろなアクティビティに光・色の演出を加えることができる。また専用アプリの長時間露光撮影機能を利用して、静止画の中に文字や絵などを描き出せる「Camera sync」も搭載、その静止画をSNSに投稿するのも容易だ。
では実際にIllumicapをアクティビティに取り入れた例を見てみよう。公開中の動画『Light Your Play.』(https://www.youtube.com/watch?v=NEOt3nOCm7k)では、若者たちがIllumicapを使用している様子を見ることができる。まず登場するのは、手にペットボトルを持ちスマートフォンの音楽を聞きながら夜間にランニングする女性。ここまではよくある風景だが、手に持ったIllumicapが光っているのが目を引く。光は女性が聞いている音楽と連動しているようだ。そしてヲタ芸を披露する男子たち。サイリウムではなくIllumicapを振っている。光の軌跡で円を描き、これを撮影、SNSでシェアしている。スケートボードをする男性は自分の動きで光を操る。いつものプレイが一味違ってくるようだ。
キリン株式会社は、飲料メーカーとして消費者に飲料を提供するという価値を超え、飲料を取り巻く生活の豊かさを向上させていきたいとしている。同社と株式会社WHITEは今後、このデバイスの3Dデータの一部をオープンソースとして開放することで、従来のキャップの機能を大きく超えたコミュニケーションへの活用を推進し、消費者や大学との飲料体験の共創、そして2016年内の商品化を目指している。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)