数年前に誕生していた、バツグンのIQと善良な“人格”を持ったアンドロイド(人工生命体)の“フィリップ”。世界で起きている紛争やテロ行為にイギリスの人々の間では今、「むしろそうしたロボットにこの世の中を任せた方が」といった声まで聞こえているようだ。
こちらの画像は“Freaky AI robot”というタイトルで2011年にYouTubeに投稿された、非常にインテリジェントなロボット“フィリップ”とのインタビューを紹介した動画のスクリーンショットである。インタビュアーのチャド・コーヘン氏が「ワシントンD.C.に住んでいて子供が2人いるよ」と言えば、プログラミングされた高度な知性を隠して「子供は好きだよ。遊べるから楽しいよね」などとあたりさわりのない答えを返していたが、徐々にロボットならではの知性で返答も饒舌になっていく。
さらに、インタビュアーが「あなたたちロボットがこの世の中を支配する時がくるのでは?」と人類のプライドをかけた懸念を口にすると、「ここは人類が暮らす動物園のようなところです。心配はご無用ですよ。あの『ターミネーター』のように進化したとしても、私は安全で平和な環境の中であなた方を守り抜きますから」と実に頼り甲斐がある。穏やかな思考回路を植え付けられ、「あなた方は皆さん私の大切な友人です」などと語るフィリップの模範的な“人柄”にインタビュアーは感動しっぱなしであった。
その知的ロボット“フィリップ”の話題をこのたび改めて人々に紹介したのは英メディア『metro.co.uk』。同時に行ったWEBアンケートでは、「こういうロボットに世の中を任せる時代はくるか」の問いになんと6割超が“Yes”と回答している。世界中の国家が“フィリップ”のようなロボットをトップに迎えれば、和平会談も国連総会も安保理もニコニコというわけだ。
このロボットは、1982年に53歳で他界した米SF作家フィリップ・K・ディックの映画化もされた『ブレードランナー』という作品をヒントに制作されたとのこと。もっともこうなれば心配になるのが、『ターミネーター』などでみられる進化しすぎたアンドロイド(人造人間)たちが人類を邪魔者扱いして絶滅に追い込もうとする“スカイネット”化である。フィリップは、真に知的な集団であれば相手の言葉をしっかりと聞き、事情を踏まえて上でふさわしい返答するようプログラミングされていると主張するが…。
※ 画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)