カナダ発の不倫サイト『アシュリー・マディソン』がハッキング被害にあい、約3200万人の個人情報が漏えいしてしまった事件。アメリカでは被害者が自殺するケースが出てしまった。
「アビッド・ライフ・メディア」社が運営していた不倫を応援する既婚者向けの出会い系サイト『アシュリー・マディソン』が“インパクトチーム”を名乗る集団によるハッキング被害にあい、一部会員の個人情報が盗まれた事件。何より怖いのは、ハッカーがその個人情報ばかりか性的嗜好などもおおやけにすると脅したことであった。
そんな中で、妻を欺いてその不倫サイトの会員になるもこのたびの事件で数々の情報を漏らされ、社会的な立場と家族の信頼を失ってしまった男性が今、次々と自殺に追い込まれているとの報道が目につくようになった。25年間にわたり真面目に勤務し、部下の尊敬も厚かった中で、職場に通じるメールアドレスで会員登録してしまった可能性が指摘されているテキサス州サンアントニオ市警のマイケル・ゴーラム警部。彼の突然の自殺を英メディア『dailymail.co.uk』が伝えている。
また有名な「ケーシー・アンソニー事件」に携わり、これまでフロリダ州オレンジ郡およびオセオラ郡で検事を務めていたジェフ・アシュトン氏も会員であることを暴露され、謝罪の記者会見まで開いたものの辞任に追い込まれている。このたびの被害者について最悪の顛末は自殺ということになるが、辞職や離婚の数はこの何十倍にも上るのではないかとみられておりカナダ人の男性会員は、サイト管理者を相手に高額訴訟を起こしている。
誰もが同サイトの「セキュリティ対策は万全」との言葉を信じていたようだが、ハッカー集団の悪知恵は常にその上を行くものであることをまたしても突き付けられた形だ。欧米の政府関係者や議員、公務員といった人々も被害にあっており、捜査当局も懸命だが、同サイトも「容疑者の身柄を突き出した者には報奨金50万ドル」とやっきである。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)