凶弾に倒れた人の葬儀を執り行ったこともあったであろう牧師という立場。このほど米アラバマ州で、牧師が教会の裏に射撃訓練場をオープンさせた。「その方向性で良いのか」という意見もあるようだが…。

「私たち教会は信徒集めに必死なのです。別のアイデアもあったのですが、やはりこんなことでもしないと教会に通ってくれる信徒を集めることは難しいのです」とフィリップ・グイン牧師。アラバマ州ジェミソンにある「ロッキー・マウント統一メソジスト教会（The Rocky Mount United Methodist Church）」は悩みに悩んだあげく、教会裏のヘビやネズミの温床となっていた朽ちた建物を取り壊し、そこに人々を惹きつけるに違いないある施設を建てた。それは射撃訓練場。現地メディア『WIAT-TV』の取材にグイン牧師はこのように語っている。

「これまで教会を毛嫌いしていた人々が、今では信徒としてここに通うようになっていますし、他の教会からも“男性信徒たちがお宅でちょっとミーティングを開きたいと言っている。射撃訓練場を借りることは可能か”などという問い合わせが入るようになっています。レクリエーション施設のような位置づけであってもよい。コミュニティの人々にもっと広く活用され、もっと親しまれる存在となることが目標です。」

ややもすれば事件につながりかねない銃、聖書とは決して相性が良いものではない。警察ともうまく連携していく必要がある。「かなり斬新でユニークな取り組みであることはわかっています。でも住民たちがうちのような温かみのある施設で銃の正しい取り扱いや射撃方法を学ぶのであれば、それがいつしかコミュニティ全体の安心、安全な生活につながるのではないかと考えています」とグイン牧師の思いは実に真剣であるようだ

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（TechinsightJapan編集部　Joy横手）