中国各地で先月26日からショッピングモールでやけに続いているエスカレーター事故。湖北省では幼児を連れた母親がステップの回転軸に巻き込まれ、広西チワン族自治区では1歳男児がステップの溝と乗降口のクシの間に指から腕を吸い込まれた。そしてこのほどは…。
中国のメディア『新民晩報』などが伝えているところによると、新たな事故が起きたのは上海の「Zhongshan Park(中山公園)」にある建物内のエスカレーターであった。3か月前から清掃作業員として働きはじめた35歳のZhangさんという男性が1日午後10時20分ごろ、あるエスカレーターの乗降口で踏み板の下にある回転軸に吸い込まれてしまった。
Zhangさんはモップを手にそのエスカレーター乗降口に立ち、ステップを拭く作業をしていた。すると突然踏み板が外れ、彼の足は下の回転軸にみるみる吸い込まれてしまったのだ。エスカレーターの急停止ボタンを押したため、命だけは落とさずに済んだが足を切断。医師によればその足はとても組織の再生や接合を望める状態ではなかったという。
このエスカレーターは「Suzhou Shenlong Elevator(本社:江蘇省蘇州)」社によるもので、2週間前にも同様のアクシデントが発生していたことを受け、現在全機において使用禁止となっている。警察とモールおよびエスカレーターメンテナンス会社がその事故調査にあたっているが、踏み板はあまりにもあっけなく外れており、子供が元気よく駆け上がる、予期せず転んで一か所に思わぬ負荷がかかるなどの行為があった場合、同様の事故はいく度でも発生するであろう。
今年前半だけですでに74件の事故が発生し、73名が死亡、82名が重軽傷を負ったと報告されている中国各地のエスカレーター。もはや利用者も怖々であることが伝えられており、ショッピングモールやビルでエスカレーターとその周辺についての徹底的な安全確認調査を望む声が急増している。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)