米インディアナポリスのある霊園で、このほどやけに華やかで明るい“式”が執り行われたとして話題を呼んでいる。それは冠婚葬祭の「婚」。お墓に囲まれた場所で結婚式を開催するカップルが現れているのだ。
インディアナ州インディアナポリスで今年6月、「Washington Park East Cemetery Association」の運営する「Community Life Center」という霊園で結婚式が開かれた。新婦のダネッサ・モリンダーさんは「さすがは12億円かけて建設された建物ね」とほめたたえ、厳粛な雰囲気と美しい装飾が調和するその施設に惚れ込んでしまったと話す。中庭から臨めるのは73,000ものお墓だが、招待客への印象を懸念して美しい装飾を施した衝立や扉を設置し、視界を遮ったそうだ。
この霊園で結婚式を挙げたのはモリンダーさんたちが初めてではない。今年1年だけでなんと50組以上のカップルがここでの挙式を決めたという。牧師さんがいて、祈りを捧げてくれる招待客がいて、皆で会食する。やることは「婚」も「葬」もほぼ同じであるならこの美しい施設を使わない手はないと言い、縁起云々にとらわれずコストパフォーマンス重視という若い人たちには実に喜ばれているというのだ。
なお全米・葬儀業者組合が少し前に組合員に対して行ったアンケートでは、約10パーセントの業者が「葬式ばかりでなく他のイベントにも利用してもらえるようなコミュニティセンター型の施設を建てたい(あるいは建てた)」と回答したとのこと。「結婚式が可能なら、地域住民のための大型イベントにも十分に使用してもらえる」。多くの葬儀業者や霊園が、こう言いながら多角経営化にますます意欲を燃やしているそうだ。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)