先月26日、チュニジア・スースのリゾートで発生した襲撃事件を受け、英キャメロン首相はイスラム過激派組織の打倒を力強く宣言し、あらゆる面で対策の強化を図ると宣言した。これに対し「イスラム国(IS)」が英・ロンドンで7日にテロを計画していたことが報じられた。パキスタンで3名の戦闘員の身柄が拘束されて発覚した。
チュニジア・スースのリゾートホテルで、夏休みを満喫中の外国人観光客ら38人が殺害された事件。犠牲者のうち30人が英国人であった。複数の専門家がこれまで「特に警戒が必要なのはイギリス(人)」などと発言していたことが現実のものとなり、イスラム過激派組織がテロを起こすのは欧米人に人気の観光地という傾向はますます強まった。
そんな中、パキスタン北西部に位置するペシャーワルの市場で2日、パキスタン人のMuhammad Ibrahim、アフガニスタン人のAzmatullahおよびAbdul Rehmanという3名のIS戦闘員が身柄を拘束されたと英メディア『mirror.co.uk』が伝えた。彼らが所持していた2台のPCにはロンドンの地図、タリバンおよびISのプロパガンダ(教義)、そして反パキスタン政府を謳うパンフレットが確認され、今月7日、ロンドンで大規模なテロ行為を計画していたことが判明した。ペシャーワルはアフガニスタンとの国境に近く、IS戦闘員の育成が進められる土地として知られていた。7月7日は、ロンドンの地下鉄やバスの乗客52人が自爆テロの巻き添えで死亡した、あの「ロンドン同時爆破テロ」からちょうど10年目にあたる。
なお、ロンドン警視庁テロ対策指令部長のピーター・クラーク氏は、「現在イギリス国内でテロ関連の裁きを待っている者の数は120名。最近では1日1名の割合で逮捕者が出ている。ロンドン同時爆破テロ以来、同様のテロがいく度も計画されてきたものの、我々は未然にそれを察知して防ぐことに成功してきた。このことは世界中から羨ましがられている」と発言している。特にイギリスを敵視するテロリストらが7月7日を“記念すべき日”として再びのテロを計画しがちであることから、毎年この時期に空港などで非常に高いレベルでの警戒が必要になっているという。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)