6月7日早朝、南アフリカ・ダーバン海岸沿いの町アマンジムトティで、自動車事故に遭うも無事だった女性が直後に橋から転落して死亡した。女性を助けようとしたレッカー車の運転手アンドレ・エリスさんは、今でも彼女の衣服を掴んだ感触が忘れられないという。
レッカー車の運転手らは、30メートル手前で事故の瞬間を目撃した。コントロールを失ったスカイブルーのミニクーパーが、ものすごい勢いで橋の欄干にぶつかって止まった。いち早く現場に到着し、車を牽引するのがレッカー車の仕事であるから、目の前で事故が起こるということは彼らにとって好都合のはずであった。
エリスさんと同僚は事故車から2人の女性を助け出した。2人とも明らかに飲酒しているようだったという。彼らは女性たちにレッカー車の座席にいるように伝えたが、1人の女性がトイレに行きたいと言い出した。近くのガソリンスタンドまで送るという申し出を女性は無視し、そのまま橋のほうへ向かい橋の柵を越えて行く。止めるまもなく女性はおよそ10メートル下へと転落。すぐに救急車が駆けつけ橋の下で倒れている女性を発見したが、すでに死亡していた。
エリスさんは咄嗟に彼女が着ていたジャージを掴んだものの支えきれず、女性を救うことは叶わなかった。この仕事をして22年というベテランのエリスさんだが、今回の事故は目を閉じると状況や感触が蘇る最悪な出来事だと語っている。
亡くなった女性はダーバンでヘアスタイリストをしていたジュリア・シュライナーさん(21)。母親によると、彼女は音楽とダンスが大好きな今どきの若い女性だったそうだ。
※ 画像はtwitter.com/Netcare911_saのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)