このご時勢に、CGなし、演技なしという手法で撮られたドラマ動画『ニクキュウ刑事 VS 怪盗ニャルセーヌ~レイク店舗に隠された宝を追え!~』。新生銀行と日本的面白コンテンツ事業を展開する面白法人カヤックのコラボによる動画作品が「なぜか笑える」「ほっこりする」と反響を呼んでいる。
『ニクキュウ刑事』(7才)は、地道な調査や聞き込みが得意な叩き上げタイプのベテラン刑事で階級は警部補。一方の『ネコ怪盗ニャルセーヌ』(4才)は目立ちたがり屋で甘えん坊な、若き怪盗。実は刑事にかまってもらいたいために盗みを繰り返したり挑戦状を送ったりしているらしい。登場人(猫)物は、この2匹のネコと特殊捜査二十二課の女性刑事のみとなる。
プロローグ編では、食事をとろうとする『ニクキュウ刑事』の餌に矢文が突き刺さる。『怪盗ニャルセーヌ』からの挑戦状だ。「泥棒ネコからの挑戦か。受けて立とう」と眠そうな目で応じる『ニクキュウ刑事』だったが…。
『ニクキュウ刑事』による捜査や全国の猫たちから届いた証言VTRによって『怪盗ニャルセーヌ』の「しっぽ」をつかむことができた。エピローグ編では『ニクキュウ刑事』による『怪盗ニャルセーヌ』の取調べが行われ、にらみ合うような?心理戦が続く。意外な結末が待っている。
とはいえ、この動画の最大の特徴は、演技をさせることもCGを使うことも一切せず、猫たちに撮影する人間側がとことんペースを合わせているところにある。エピローグのほか「証言VTR」として一般ユーザーが投稿した愛猫の動画でも、猫たちはお気に入りの蒲団の上で寝そべったり、飼い主の膝の上でまどろんだり、さっさとカメラの前を通りすぎてしまったり。特に大きな笑いや驚きが起きるシーンはない。にもかかわらず、見終わった後なぜかほっこり、にっこりしてしまうのは、マイペースすぎる猫たちに必死に合わせようとする人間の様子が想像できるからだろう。自分(猫)たちを必死に追いかけストーリーを作り出そうと奮闘する人間を横目に見ながら「にゃーにやってんのかにゃー」という猫たちの心の声が聞こえてきそうである。
※画像はYouTubeのサムネイル。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)