人間の目は暗くなるとモノが見えにくくなるという常識を覆すような、暗闇でも遠くのモノまでしっかりと見通せる目薬が米国で誕生したもようだ。ヒトでの実験の段階に入ったことが伝えられている。
この画像は英メディア『metro.co.uk』が伝えているその記事のスクリーンショット。開発したのは、自分たちを“バイオハッカー集団”と呼ぶ米カリフォルニア州の「Science for the Masses」という団体で、瞳に緑がかった黒い液体を注入されたのは同団体の治験コンサルタントをしているガブリエル・ルシーナさんであった。彼はこの方法により、真っ暗な森においても50メートル離れた所の人の動きを確認することが出来たとしている。
Ce6(Chlorin e6)はこれまではガンの治療薬として使用されていた、深海魚が持つ光感受性物質である。治験では、ルシーナさんの眼球表面の汚れを生理食塩水でよく洗い流してからCe6を点眼。続いて彼は大きな真っ黒のコンタクトレンズを着用し、人工的な暗闇を作り出すと2時間ほどで効果が現れたそうだ。
あとは副作用が気になるところ。さらなる実験を経てこの目薬の安全性と効果が認められるようであれば、腫瘍を発症してレーザー治療を受けた患者や網膜色素変性症などに苦しむ患者において役立てられる可能性があるという。
※ 画像はmetro.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)