ここのところニュースで見かけなくなったとはいえ、いまだ終息宣言がされていない国もあるエボラ出血熱。感染しているか否かを迅速に検査するキットがようやく登場したもようだ。
どのような伝染病の流行においても、その対応に欠かせないのが迅速診断キットの存在である。英メディア『news.sky.com』が報じているところによれば、このほどエボラ出血熱にもその感染をスピーディに見極める検査方法が確立したという。
近年、複数の研究機関がエボラ出血熱の迅速診断キットを開発しようと努力していた中で、やっと世界保健機関(WHO)の承認を得たのが“ReEBOV Antigen Rapid Test”という米国の『Corgenix』社が開発した15分検査キット。陽性患者が正しい操作のもとで検査を行った場合の検出率は92%と従来の検査法にはやや劣る。だがこれまで判定結果を知るまで12~24時間もかかっていたこと、また渡航者の帰国時に行われる空港でのスクリーニングが不十分であったことを考えれば、このキットが果たす役割は非常に大きいものがありそうだ。
エボラ出血熱はこれまで西アフリカを中心に9,400人ほどの犠牲者を出し、特にリベリアでは2013年12月以来3,800人以上が死亡したが、6か月間の閉鎖を経て現在は学校も再開。同国の保健省はこのままいけばあと数週間で終息宣言を行うことが可能だとしている。
※ 画像はnews.sky.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)